エピソードZ 

-プロローグ- 
教室で彼に胸を揉まれた日以来、私は彼の事が気になって仕方がなかった。 
学校では常に彼のことを目で追っちゃうし、 
普通に話していても、どうにも意識しちゃうし… 
今まで、あれだけえっちなことをしちゃっているのに、 
顔を見るだけ、そして姿を見るだけでドキドキしちゃって、どうにもならなくなっていた。 
かといって、振られたときの事を考えると、彼に告白する勇気は私には無かった。 

一方で、部屋に一人で居る時は、彼とのえっちな体験を思い出したり 
もっと進んだえっちな妄想ばかりを、繰り返しするようになっていた。 
当然のように、そんな妄想で激しく自分を慰めたり、 
時には、あれ以来回数を重ねるようになっていた愛ちゃんとの行為で、身体の疼きを散らしていた。 

勿論、愛ちゃんの事は大好きだし、えっちの時には愛ちゃんに対してだけ気持ちが行ってる。 
それに、愛ちゃんとのえっちで、その心地よさ、安心感、幸福感、そして十分な快感を得てはいたけど、 
男の子とのえっちへの興味、そして好きな彼に抱かれたい。彼にメチャメチャにされてみたい。 
そんな想いは日を追う毎に大きくなって行くばかりだった。 

そんな私と彼は、以前と変わらず下ネタを交わし合う仲だった。 
話していて以前より各段にドキドキしちゃうんだけど、 
頑張って、至って普通に以前と同様に話すように努めていた。 
だけど、そんな私の頭の中を彼は知る由も無いと思う。 
いや、知ってしまったら多分引かれると思う… 
”あなたが好き。抱かれたい。ドロドロに汚されたい。…私に愛情は無くってもいいから…” 
だから私は、そんな自身の欲求を気取られないように振舞っていた。 

……そして、そんな気持ちと身体がどうにも抑えられなくなったある日、私は覚悟を決めた。 



「…ね……えっちしようか……」 
いつものように彼と下ネタトークをしている時、会話の切れ目をみつけて私は彼に言った。 
声は頑張って冷静を装えたけど、内心はもうドキドキ。心臓がばくばくいってる。 
もしかしたら、顔も真っ赤になってるかもしれない… 
言った言葉もだけど、それが恥かしくって、彼のほうからちょっと目線を外しちゃう。 
だけど、自分で言ったその言葉だけで興奮しちゃって、あそこが熱くなってくる… 
……かなり重症かも…私。 

「は?」 
ポカンとしてる彼。 
「だ…だから、えっち…しようかっ…て。」 
もう一度言うなんて恥かしくって、ちょっと言葉に詰まっちゃったけど、さっきより大きめの声で彼に言う。 
「な、なんでまたそんなこと…」 
私が言った事をようやく理解出来たらしい。 
そしてその驚き様は、ちょっと震える声に現れていた。 

「なんかねー、いろいろ頭の中で想像して考えちゃうより……実際に経験しちゃったほうが早いかなーって。」 
今までしてきた、いくつかのえっちな悪戯。 
その延長として捉えてくれれば、彼も多分気が楽だろう… 
そんな思いから、軽めの口調で彼に理由を言う私。 

想像とか経験って言っても、えっちそのものというか、 
えっちの快感、そして心地良さは、愛ちゃんとの行為で既にかなり知っている。 
だけど、男の子とのえっちは一体どういう物なのか。 
そして、あそこにおち○ちんを入れられる感覚というのはどういう物なのか。 
そんな好奇心は愛ちゃんと回数を重ねる毎に増すばかりだった。 
あ。…あそこに愛ちゃんの指は入れて貰ってはいるんだけど……一本だけ… 
だからといって、単純に好奇心だけじゃない。 
好きな人に抱かれてみたい。その想いもはちきれんばかりに大きくなっていた。 

「だからといって……」 
私の軽い口調がマズかったのか、彼はやや引き攣った表情だ… 
「初めてがあたしとじゃ…イヤかな?」 
彼って、私にはそういう感情って持ってくれてなかったのかな…そんなに魅力無いのかな… 
やっぱり食べ物の事ばっかりな女の子は色っぽくないよね…… 
そんなネガティブな考えばかりが浮かんで来てしまう。 
「な…なんでまた俺と……」 
声のトーンが下がって来てるし… 

「だって、あたしも初めてだしあんたも初めてでしょ。お互い初めてのほうがいいかなー、って。 
それにいっしょにいると安心できるし、気も許せるから……あんただったらいいかな、って。 
それにあたしたち、もういくつも人に言えない秘密持ってるからもう一つぐらい増えてもいいよね。」 
もう、恋人同士になれなくってもいい。ずっと私の片想いでもいい。 
彼は私となんて遊びとして思ってくれてもいいから、とにかく彼に私の初めての人になって欲しかった。 
私がこんなにも好きになっちゃった彼に… 

「………」 
無言のままの彼。 
「ね、いいよね。しよっ。」 
無言の彼を見てたら、こんな事を言ってる自分が、なんかあまりにも汚く思えてきた… 
だけどやっぱり彼に…そして彼と…… 
そんな想いが、大胆にもそして執拗に、彼に関係を迫る台詞を私に吐かせ続ける。 

「あんたじゃなきゃあたし…こんなこと言えないよ?」 
これは私自身の本当の気持ち。 
裸を晒す事さえ死んじゃいそうなほど恥かしいけど、 
あなたが好きだから…あなたにしか抱かれたくないから… 
そんな一途な想いも込めて、彼の目を真っ直ぐ見ながら私はそう続けた。 

「わ、わかったよ。俺で良ければ。」 
私の想いが伝わったのか、単に執拗な私の攻めに面倒くさくなったのか、 
それともやっぱり、彼もえっちへの興味に惹かれたのか… 
彼はちょと恥かしそうに私から顔を背けながら、そう言った。 

「じゃ、決まりね。一度家に帰って今日の夕方待ち合わせね。 
いくらなんでも制服のままじゃホテル入れないしね。場所は2丁目の角のコンビニで。 
あ、ホテル代は割り勘でいいよ。あとお風呂入ってきてね。不潔なのはイヤだから。じゃ。」 
彼の気が変わらないうちに。そして私自身の気が変わらないうちに、 
今まで何度もシュミレートしていた言葉を続け、私は彼を残して教室を出た。 

帰りの道すがら、私はさっきの彼の反応を思い出していた。 
男性経験の無い私とのえっちを、彼はちょっと躊躇していた。 
確かに、突然の事でどうしたらいいのか判らなかったのかもしれない。 
だけど、彼のあの戸惑いの表情は、「簡単にえっちしちゃっていいんだろうか?」 
っていう類のもののようにも思えた。 
そう考えると、私の軽い口調に流されず、少なくとも私のこともきちんと思ってくれているように感じて 
じわじわと嬉しさが込み上げて来ていた。 
そして、もしかしたらえっちを機に、恋人同士という関係になれるかも。 
そんな淡く、あまりにも調子のいい期待も持ち始めていた。 

急いで帰宅しシャワーを浴び、全身をくまなく洗い始める私。 
ついに言っちゃった…これから彼に私の裸を見られちゃうんだ… 
生まれて初めて男の子に抱かれちゃうんだ… 
裸の全身を触られ…そして私の中に彼のおち○ちんが…… 

身体中を念入りに洗いながら、彼を想像する。 
私に見せてくれた恥かしそうな顔。拗ねた顔。そして大好きなあの笑顔。 
あの彼が真剣な顔で私を抱き寄せ、綺麗な手で私の首を触り、胸を揉み、腰、お尻と触れていく。 
時折、「可愛いよ。紺野」とかそっと囁いてくれて…… 
そして今まで男の子に触れられた事どころか見られた事などなかった、女の子の大事なあそこに触れてくる… 

私はボディーソープを手にたっぷりと付け、襞の間を掻き分ける… 
見られるどころか、もしかしたら、ここを舐められてしまうのかもしれない…… 
そう。愛ちゃんがいつもしてくれているように…… 
恥かしいのにそう思っただけであの快感を思い出し、えっちな液が染み出し始め、襞も充血して膨らみ始めてしまう。 

そして肝心のここ。 
何度か触れた彼のおち○ちんを想像し、ゆっくりと中指を挿入していく私… 
「んんっ…」 
待ちきれないのか、中の襞が指に絡みつく…染み出した液でヌルヌルしている… 
一度指を引き抜き、薬指と合わせた2本を穴の入り口に添える。 
私は力を抜いて、その2本の指をゆっくりと押し込んでみた。 

「痛っ」 
入り口からして、完全に無理。 
ジンジンしちゃってるあそこを前かがみの体勢で手で抑え、痛みが引くのを待つ私。 
そんな姿が鏡に映ってる。 
ふにゅ〜となった情けない顔して、あまりにもカッコ悪い… 

…本当にこんな所にあのおち○ちんが入ってしまうんだろうか…どれだけ痛いんだろうか…… 

へなちょこ顔なのに、意図せずに腕で胸を寄せてセクシーポーズをしてる鏡の中の私を見ながら 
そんな事を思ってしまう。 
愛ちゃんは、「いっぱい濡れてたもんでぇ、あんま痛とぉなかった。緊張もしとらんかったよって」 
なんて、あっけらかんと言ってたけど… 
やっぱり体の仕組みが解かっている女の子同士、愛ちゃんに破ってもらってればよかったかも… 
なんて事も頭に浮かんで来てしまう。 
興味はあったし、彼とそうなることは待ち望んでいた事ではあったけど、 
いざその時がこうして来ると、やっぱり不安が増すばかりだった。 

鏡に映る自分を見ながら、再び中指だけを挿入していく… 
この窮屈な感じが、あと数時間で変わってしまうのかと思いながら、 
その感覚を記憶に刻もうとするかのように、そして不安より快感を期待するかのように、 
私は挿入した指を、暫くの間ゆるゆると動かしていた…… 

鏡の中の私は顔を紅潮させて、既に快感を得ているように見えていたけれど… 

私から誘っちゃった手前、彼を待たせる訳にはいかない。 
悪戯も程々に、疼く身体をちょっと冷たく感じる温度のシャワーで無理矢理冷ましていく。 
どのみち、これから…する……んだし… 

バスタオル一枚で部屋に戻って、タンスをごそごそ漁る私。 
好きな人にはちょっとでも可愛く見て貰いたい。 
そんな思いはやっぱり下着にも反映される。 
選んだのは、このあいだ買ったばかりの、おニューのピンクのチェック柄。当然上下お揃いの物。 
鏡の前で、似合って無くないかきちんとチェック。 

…これを脱がされちゃうんだ。 
ブラの位置を直していたら、ふとそう思った。 
既に彼に見られているような感覚になって恥かしくなっちゃう。 
すぐさま鏡の前から移動する。 
…ちょっとだけ濡れちゃた…もぅ…ダメだな…私… 
匂いが気になって、パンツの中にちょっとコロンを噴き掛けた。 

服もこっちにしようかあっちにしようか、もう色々悩んじゃって着たり脱いだりの繰り返し。 
なんとか無難にまとまった時には、ベットの上に服が山積みになってた。 
帰ってきてから後片付けが大変だ…こんな時は自分の優柔不断さが恨めしいよ… 
バックを持って再び鏡で全身と前髪をチェックして、急いで部屋を飛び出した。 

出掛けに、「晩御飯どうするのー」ってリビングからお母さんの声が聞こえた。 
「9時までには遅くても帰るから絶対残しといてー」って靴を履きながら応えたけれど、 
しちゃった後で胸一杯になって、食欲湧かないんじゃないかな?なんてちらっと思ったり。 
そして心の中で、「お母さんごめんなさい」って言いながら、私は玄関のドアを閉めた。 

待ち合わせ場所に着いたのは、約束の時間よりも30分も早かった。 
コンビニの中で適当な雑誌を手にとって、パラパラ捲っていても頭の中はこれからの事ばかり。 
おまけに、彼のおち○ちんの映像が頭にチラついちゃってどうにも落ち着かない… 
何冊目か手に取った雑誌の見出しにSEXって文字を見つけて、あわてて棚に戻したり… 
落ち着こうと思って、お菓子やらデザートのところをウロウロしても、やっぱりダメ。 
逆に、細長い物がことごとくおち○ちんに見えちゃって…目線はあっちに行ったりそっちに行ったり。 
レジ横のフランクフルトを見ちゃった時なんて、おもいっきり眩暈がした。 
多分。いや、絶対に今の私って挙動不審になってると思う…… 

そうしているうち、ひょっとしたら彼はここに来てくれないかも…なんて不安も湧きあがってき始める。 
私がそんな不安に駆られ始めていた時、彼の姿がガラス越しに目に飛び込んできた。 
なんか、救助された気がしてホッとした。 

私服の彼は制服で見る以上にかっこいい。…と言いたいところだけど、至って普通… 
私ももっとラフなカッコの方が良かったかも。なんてちょっと後悔。 
「早かったね。」 
「え、まあな。」 
あ、彼ったら声がうわずってる。 
「そんなにあたしとしたかったんだ。」 
なんだか照れてる彼が可愛くって、ちょっと意地悪っぽく言ってみる私。 
私のほうが早く来てたんだから、よっぽど彼としたかったように思えちゃうけど。 

「そりゃ……あ、いや……女の子待たせちゃいけないと思って。」 
ちゃんと来てくれた事も嬉しかったけど、そんなちょっとした気遣いがもっと嬉しかった。 
それに、「そりゃぁ…」とかポロって言ってたし。 
嫌々私とそういう関係を持つんじゃ無い事が垣間見えて、一段と嬉しくなっていた。 
……これから彼に抱かれるんだ。 

「……ちゃんとお風呂入ってきてくれたよね?」 
「ああ。」 
確かに彼のほうから少し石鹸の香りが漂っている… 
だけど、おでこに薄っすらと汗が浮かんでるから、多分急いで来てくれたんだと思う。 
「そっか。あたしも入ってきたよ。」 
私も汗かいちゃってないか心配になって、前髪を直すフリしながらおでこに触れる。 
ん。大丈夫そう。さっきは冷や汗かいちゃったけど。 
「………」 
なんだか彼ったら、無言で私の事をマジマジと見てるし… 
「なに?なんかついてる?」 
この服似合って無かったかな…… 
「いや……私服の紺野もとてもかわいいと思って。」 
顔をちょっと赤らめて照れくさそうにそう言う彼。 
初めてこんな面と向かって”かわいい”なんて彼に言われちゃって、ほっぺたが熱くなった。 
おまけに嬉しすぎるし照れちゃうしで、両手の甲を自分のほっぺに当てたまま、おもわず俯いちゃった。 
手で顔を扇いでもなかなか顔の熱が冷めてくれない。 
そんな赤い顔も見られたくなくって、早く彼の前から移動したかった。 

「…ありがと。じゃ、行こっか。」 
出来れば彼にエスコートして欲しかったけど、頑張って私から切り出した。 
そして、私達はコンビニの前から、街中…目的のホテルへ向かって歩き始めた。 

学校の帰り以外で、こうやって彼と並んで歩くなんて初めてだ。 
初めてなのに、それがホテルに向かってると思うと緊張しちゃって堪らない… 
不安を取り除きたくなって、彼から勇気も欲しくって、そっと彼の手を握る私。 
無言のままで、私のその手を握り返してくれる彼。 
その手は力強くって、頼もしくって、そして温かかった。 

人ごみの中を、二人とも無言のままで歩いて目的地へ徐々に近づいていく… 
足を一歩踏み出す毎に、やっぱり緊張は増していく。心臓もバクバクいっている… 
どうしても身体は強張ってきちゃって、彼の手を握る私の手にも力が入っちゃう。 
手に汗までかいちゃってるし、もう逃げ出したいくらいだ……本当に彼と出来るのか不安が募って来ていた。 


住宅街の外れにある一件のラブホテル。 
その前に私達はいた。 
目立たない入り口を見つけて入ってはみたものの、彼も私もそこからどうしていいかわからない。 

「……どうやって部屋に入ったらいいんだ?知ってる?」 
手を握ったままで、そんな質問をしてくる彼… 

「……あたしが知ってる訳ないでしょ……」 
二人とも何もかもが初めてだと、色々と不便だね… 
やっぱり彼か私かどちらかの家でしたほうがスムーズにいったのかもしれないな。 
なんて、ここでもちょっと後悔した。 
それでもなんとかチェックインして、その中の部屋の一つへ入る事が出来た。 

「ふーん。雑誌とかでは見たことあるけど実際もこうなってるんだ。」 
少し照明が落とされた部屋の中には大きなベッドが一つ。 と冷蔵庫。 
そしてトイレとバスルーム。 
傍目には普通のホテルかマンションの一室のようにも見えるけど、 
ただそれらと違うのは、この部屋の存在もここに来てそれを使うお客さんも、 
その目的はただ一つだけということだった。 

そして……彼と私もその例外じゃない。 
そう、私達はこれから…… 

ひとしきり部屋の中を見回って、私はベッドの上にちょこんと座る。 
彼も私の後を追いかけるようにベッドに昇る。 
互いに向かい合って座っている私と彼。 
暫くは部屋の感想を話したり、枕元にみつけたボタンを手当たり次第に押してみては 
二人で驚いたりはしゃいだり。 
鏡と思ってた物が突然透けて、バスルームの中が丸見えになっちゃったのにはかなり驚いた。 
そうやってはしゃいでみても、それも緊張の裏返し。 
ひとしきり部屋の探検が終わったら、二人ともすっかり無口になっていた。 

どうすればいいのか判らずに俯いたままの私。 
そんな私の手を、彼がそっと握ってきてくれる。 
「じゃ、しよっか……」 
私は勇気を振り絞って切り出した。 
「うん……」 
私の勇気を誉めてくれるみたいに、彼は握った手に力を込めてくれた。 

私と彼はベットの上で座ったまま向かい合い、手を握ってお互いの目を見つめ合う。 
彼にこんなに見つめられるなんて、ドキドキしちゃってもう死にそう… 
「わかってると思うけど…あたし…初めてだから…」 
………今から彼に……… 
「俺もだから……うまくいかなかったらごめんな。」 
………ついに彼と……… 

段々と彼の顔が近づいてくる… 

私はゆっくりと目を閉じた。 

そして……互いの唇が触れ合った…… 

私の大切なファーストキスはあまりにも柔らかく、温かく、そしてほんのりとミントの味がした…… 

正確にはいつからだったか判らないけど、好きだった彼に私はこうしてキスされてる… 
もう嬉しくって幸せで、今にも涙が零れそうだった。 
こうしてキスする前におち○ちん握っちゃったり、それを擦って精液を出しちゃったり、 
どこか好奇心優先で歪んだ形で彼との関係を持ってきた。 
だけど今こうしてキスをされて、ようやく精神的に繋がる事が出来たとしみじみ感じていた。 
それは私の一方的なものかもしれないけれど… 

その幸せ噛み締めるように、私は暫く彼の唇の感触を味わっていた。 
……もっと深く繋がりたい。もっと彼を感じたい。 
精神的に満たされてくると、今度は本能が快楽を要求してくる。 
私のほうからそっと舌を伸ばす…彼の閉じた唇をノックする。 
「んっ」 
彼はちょっと驚いたみたい。握ってた手にも一瞬力が入った。でも、それもほんの一瞬。 
私の求めに応じるように彼も少し口を開いて、私の舌を受け入れてくれる。 
絡み合う舌。 
今度は彼のほうが私の舌を押し戻す。逆に私の口の中に舌を差し入れてくる。 
交換される唾液。 

ちゅっ…くちゅっ……じゅるっ……… 

薄暗い室内に響く淫らな音が興奮を掻き立てる。 
私の口の中をぬるぬると蠢く彼の舌… 
口があそこになっちゃったみたいに、唾液が湧き出してきてしまう… 
舌が動くたびにあそこを舐められてるみたいな錯覚に陥る… 
そしてえっちな液も湧き出してくる……まるで口でえっちしてるみたい…… 

いつしか私達は、互いの口の中を舌で掻き回し、舌同士を激しくそしてしつこく絡み合わせ 
舌といわず唇といわず吸い合っていた… 

私の身体はすっかり火照り、頭は霞がかかったようにボーッとしてる。 
全身に力も入らず、今にも倒れそう… 
あそこのほうも、もうジンジンしちゃってもうどうにも堪らない。 
早くパンツを脱いで、自分から掻き回してしまいたい…… 

頭が蕩けそうなキスを交わしながらゆっくりと手を離し、私の方から彼の背中に手を回す。 
そして何度も夢の中でしてきたみたいに、彼にギュッと抱きついた。 
倒れ込むように抱きついたせいで首が反り、上から彼に強引にされてるみたい。 
この態勢って彼から求められてるみたいだ…胸が張り裂けそう… 

彼も私の腰と背中に手を回し、身体ごと自分の方に引き寄せてギュって抱きしめてくれた。 
彼の胸に押しつぶされる私の胸……もう、幸せ過ぎる……鼻の奥がツーンってしてきちゃう…… 

こんな風にキスされながら彼に抱きしめて貰えるなんて……… 

愛ちゃんとの時は二人とも溶けて混ざり合う。という感覚だったけど、 
広い背中、抱きしめてくれる力強さが、私が彼に一方的に吸収されてしまうみたいな 
そんな感覚だった。 
溶け合うというのと包まれるというもの。だけどしている事はほぼ同じ。 
正確に言うと、相手が男の子か女の子かの違いだけ。どちらも大好きな人… 
それで得られる快感も同じなのに、こうも感じ方が違うものなのか。 
そんな驚きを感じながら、私は彼の腕の中で幸せを噛み締めていた。 

長く甘い唾液の交換に酔っていた私から、彼の唇が離れていく… 
彼も顔が紅潮してちょっと涙目。 
そんな目をして間近で私を見つめながら、彼はゆっくりと私に体重をかけ、 
そしてベットの上に押し倒した。 

一度軽くキスをしてくれた後、彼の手が私のブラウスのボタンに掛かる。 
これから裸を見られちゃうんだ… 
そう思ったとたん、急に恥かしさが湧きあがってきた。 

「ちょ……ちょっと待って。」 
おもわず彼の身体を押し返し、彼の下から抜け出した。 
彼に見られながら脱がされるなんて、恥かし過ぎて絶対に無理! 

「服…しわになったら困るから……自分で脱ぐからいっしょに脱いで。」 
私はそんな理由をつけて、ベットの上で座ったまま後ろを向いて、自分からブラウスのボタンを外し始めた。 
一つボタンを外す毎に心臓の鼓動が激しくなっていく… 
…前は全部開いちゃった。だけど肩から外せないよ…… 
襟元に手を掛けたまま、どうしても手が動かない。 
諦めてスカートのチャックに手を掛ける。 
それが下りる「チリチリ」って音が妙に大きく聞こえた。 
ホックを外して座ったままでスカートをお尻の下から引きぬいた。 
またブラウスに手を掛ける。だけどなかなか勇気が出ないよ… 

…これを脱いだら彼に下着姿見られちゃうんだ……顔が熱い…恥かしすぎて苦しい… 
思えば思うほど胸が苦しくなって行く。ほんとに死んじゃいそうだ。 

頑張れ!私っ!! 
自分で自分を励まして、私はギュって目を瞑り、両手を無理矢理動かして肩からブラウスを外した。 

うわぁ……脱いじゃったよ私…泣きそうだよぉ…誰か助けてよぉ…死んじゃうよぉぉ…… 

恥かしさに押し潰されそうになりながら、私は両腕で胸を隠し、俯き気味にそっと彼のほうを振り向いた。 
彼は赤い顔のまま、あろうことか服を着たまま私を見ていた。 
あわててまた後ろを向く私。 
「な…なにしてんのよ。あたしだけ脱いだら恥ずかしいじゃない。早く脱いでよ。」 
こんなんじゃ、私が露出狂みたいじゃないのよぉ… 
自分だけ下着姿なのも恥かしくって、ちょっと強い口調で彼に言う。 

自分のこんな姿を見られるのも死ぬほど恥かしいけど、彼の裸を見るのも恥かしい… 
私は縮こまって、背中越しに彼が服を脱ぐ衣擦れの音を聞いていた。 
「チャリン」ってベルトの音がした。 
…既に何度かおち○ちんを見てるのに、彼の裸見るのが恥かしいって私って何なんだろ? 
そんなどこか冷静な事をふと思った。 

服を脱ぐ為に一旦降りていたベットに、彼が再び上がってきた振動を感じた。 
「紺野…」 
彼に背中を向けていた私の素肌の肩に彼が手を触れる。 
ちょっと”びくっ”てしてしまう私…触られた部分がめちゃめちゃ熱いよ… 
ドキドキしながらゆっくりと彼のほうを向く。 
俯いたままだった私の視線は彼のパンツに真っ直ぐ向いていた。 
そこは既に大きく盛り上がり、はちきれんばかりだった。 

何度も見たことがある物だったからなのか、それを見たおかげで不思議と落ち着きを取り戻せた。 

「あ、もう大っきくしてる。もう……エッチなんだから。さ、さっきの続きしよ。」 
下着姿を、そして真っ赤になってるであろう顔をマジマジと見られたくなくって、 
私はそう軽口を言いながら彼に抱きついた。 
彼もさっきよりも強く私を抱きしめてくれる。 
裸の彼の胸。手に触れる背中の筋肉。薄っすらと香る石鹸の匂いの中に彼自身の匂いが混じってる… 
そして彼の体温。呼吸するたびに上下する、私のほっぺが当たってる彼の胸… 

抱かれてるんだ…彼に抱かれてるんだ…もうこの腕を離したくない… 

彼が私を覗き込むように顔を寄せる。私も顔を上げて唇を合わせる… 

んっ……んんっ……ちゅっ……ちゅっ……んっ……はぁっ…… 

さっきと同じように私達は互いの舌を絡め合う。 
互いの唾液が混ざり合い、糸となって二人の唇の間を結ぶ。 
彼はさっきよりも強く、私の舌を、唇を求めてきてくれる。 
頭も優しく撫でてくれる……幸せすぎだ…だけど、もっともっと私を求めて欲しい…… 
そんな想いを込めて、私は彼の唇を強く吸いあげる。 

私の頭から離れていった彼の手が、今度は私の左胸にそっと添えられた。 
たった一枚の布越しに感じる彼の手の感触。ちょっと震えてる… 

ちょっとだけ震えながらも、ゆっくりと、そして優しく私の胸の上で円を描く彼の大きな手。 
時には、背中に回された手に向って、胸にある手を押しつけてくる… 
今度は布越しに乳首を擦られる…… 
「んっ…んんっ…」 
彼の唇も、熱くなった私のほっぺ、えら、首筋へと落ちていく……彼の吐息が火傷しそうなほど熱い… 
触れられる部分全てが心臓になっちゃったみたいに、身体中ドキドキしてる…… 
徐々に胸も強く揉まれ始める…掬うように…柔らかく搾るように…… 
………身体が震えちゃう。 

「ん……はぁぁぁっ…」 
咽を唇で撫でられて、おもわず声が出ちゃった。 
胸に手を押し付けられたままで、またギュって抱きしめられる。 
潰された胸が苦しくって、でも嬉しくって彼に体重を預けてしまう私… 

胸を歪ますみたいにしながら、彼の手がブラ沿いに脇へ滑る。そして背中へ。 
背中に回ったその手にブラのホックを外される。緩くなる私の胸元… 
そしてそのまま、彼の両手が私の肩のストラップにかかる…… 
彼に外されちゃう…… 
恥かしくって横を向いたたまま、だけど彼の動きを助けるように肩を狭めて、私はブラを落とした。 

露になった私の裸の胸……彼に見られてる………始めて男の人に……… 

「やだ……恥ずかしい……」 
ドキドキし過ぎて心臓が飛び出そう…もうチラッとも彼を見れないよ……… 
恥かし過ぎて、益々頭がボーッとしてくる。 
あそこもジンジンしちゃって恐らく濡れちゃってるし、乳首も完全にピンって勃っちゃってるよ……… 

どうにも堪らなくって私は俯いて、両腕で胸を隠そうとした。その腕を彼に押さえられる。 
彼は私の腕を押さえながらじっと胸を見つめる。 
胸に刺さる視線が痛い…なんだか乳首を引っ張られるみたい…… 
そしてゆっくりと私と視線を合わせる。 
「……恥ずかしくない……きれいだよ……」 
ふんわりとした笑顔でそう言ってくれる彼。 

嬉しいけどやっぱり恥かしくってドキドキしちゃって、熱過ぎる顔を彼からそらす私… 
そんな私を再び強く抱きしめて、ベットに倒すように、彼は体重を掛けて来た。 
私は目を瞑り、そのままベットに倒れ落ちた。彼の熱い吐息が耳元にかかった… 

その時、愛ちゃんがベットの中で時折見せていた少し切なそうな表情が、ふと脳裏をよぎった…… 

私の裸の胸が彼の裸の胸に押し潰される。 
背中と肩には彼の温かく大きな手。 
…太ももに当たってる固くて一段と熱いものは、多分彼のおち○ちんだろう。 
ちょっとぬるっとするのは、若しかしたらパンツ越しに染み出したえっちな液かも… 

……この熱くって固いのが、もうすぐ私のあそこの中に…… 

裸で抱き合っていると言う事にも増して、目の前に迫っている運命の時を自覚させられて 
恥かしさと興奮、そして緊張が押し寄せてくる。 
彼の胸に潰された私の胸から、バクバク言ってる心臓の音が聞こえちゃわないか心配になる。 

慌ててる心臓と、圧し掛かられた彼の体重でかなり苦しい。 
だけどその苦しさが、彼に抱かれてると改めて感じさせてくれて凄く嬉しい。 
そしてこの彼の匂い…包まれてるんだ…私… 
舌を吸われながらこの幸せを噛み締める。このまま延々と彼を感じていたい… 

私も彼の背中に手を回そうとしたら、彼の重さが遠のいた。そして肩にあった手が抜けていく。 
あっ…行かないで……もっと長く。そしてもっと強く包んで欲しい… 
離れて行く彼の身体を追うように、彼の腋から背中へ腕を伸ばす。 

一瞬開けた目に、霞んだ彼の顔が映った。とりあえず赤い。 
近すぎるしぼんやりとしか見えないけれど、その表情は引きつってる感じ…彼も緊張してるみたい。 

私の左胸に彼の手が添えられた。絡めていた私の舌の動きが止まる。 

やんっ…男の子に触られてるっ……もう心臓が飛び出しそうな程恥かしいっ! 

ぎゅっと目を瞑り、彼の背中に回した腕に力を込める。 
恥かしさで身体が震える……ほっぺもヒクついちゃってキスもままならない…… 

私の裸の右胸を、あまりにもソフトに撫で回す彼の大きな手… 
……あれ? 
震えてるし少し汗ばんでる……やっぱり緊張してるんだ。彼。 
だけど、さっきよりより鼻息が荒い…なんだか可笑しい。 
そんな彼が妙に可愛く感じると共に、彼も緊張してると判った途端、私の緊張は急速に薄らいでいった。 

男の子に直接触られてる。と言う事には極度の恥かしさはあるものの、 
ガチガチの彼の動きに、感じるというよりもくすぐったさが先に来る。 
服とかブラの上から触られた時はあんなに気持ち良かったのに……なんか不思議。 

遠慮がちに触れていた手に、徐々に力が入ってくる。 
やわやわと揉み込み込んでくるけど、やっぱりなんかくすぐったい… 
グッと握られてちょっと痛かったり、どうもピンと来ない。 
慣れていないとこんなもんなのかな?などと思ってしまう。 
愛ちゃんにされた時はあんなに気持ち良かったのに…… 

……集中すれば気持ち良くなれるかな? 

私は自らの熱を上げようと、意識をキスに集中させた。 
私の舌を捏ねまわす彼の舌…前歯を擦って行く…上唇の裏に入ってきた…… 
彼の舌の動きはさっきまでよりのんびりしちゃってるけど、やっぱりぬるっとした感触が気持ちいい。 
更に感じようと、私も彼の口の中深くに、唾液をたっぷりと乗せた舌を伸ばす。 

…はぁっ。頭が霞んでくるよぉ…もっとぉ…… 

喉の奥まで導くように、彼の舌をおもいっきり吸い込む。 

んはぁっ……気持ちいい… 

身体はじんわりと熱を帯び、あそこも乳首も、徐々にジンジンしてきた。 
そのおかげなのか、揉まれている胸からも身体の芯に響く熱が湧き上がって来る。 

…そうだ、彼に揉まれてるんだっけ。 
すっかり忘れていた恥かしさが再び蘇る。なんだか冷めたり火照ったりで忙しい… 
だけど、急速に全身の熱が上昇し、彼が与えてくれる刺激に身体は素直に感じ始めていた。 

私の胸を下から掬い、揉み込みながら円を描いている彼の熱を帯びた大きな手。 
時折強く握ってくるけどちょっと痛い。 
彼の手はそんな動きを繰り返しながら、徐々に先端に近づいていく。 
できたらもっとソフトに、そして大きく撫でて欲しい… 
そんな事を訴えるように、頭の冷めた部分が身体を捩らせる。 

んんっ!… 
深いキスですっかりビンビンになった先端に触れられ、乳輪ごと更に勃っちゃった気がした。 
指の間で擦られたり挟まれたり……ソフトな刺激がたまらない… 

……んんん……はっ……んんっ……んん…… 

指で摘まれ、転がされて吐息が漏れちゃった。 
彼に聞かれちゃったと思う恥かしさが、ますます乳首の感覚を敏感にさせていく。 

……んんっ…んっ… 

…眉間に皺が寄っちゃってそう。 

キスをしたままの彼の口の中に、直接吐息を吐き出しつづける私…恥かし過ぎて苦しいよぉ…… 

鼻息もおもいっきり掛かっちゃってる……嫌っ!そんなの。 

私は唇を離し、彼から顔を背けて両手で自分の顔を覆った。ものすごく顔が熱かった。 

「…紺野……凄くかわいいよ。」 
そう言いながら、彼は私の胸から手を離し、顔を覆った私の手をそっと掴んで頭のわきに固定する。 
両手の指を絡めるようにギュッと握って、ほっぺにキスをしてくれた。 

…ふゅぅぅぅ… 

嬉しくって恥かしくって、固定された自分の腕に顔を埋めるみたいに首をすくめた。 

彼の唇はそんな私の首筋をなぞり、鎖骨を甘噛みし、胸元に下りて行く… 
胸の間にキスマークを付けるように吸いつかれる…… 
そして、今まで触れてもらえなかった右胸の先端に辿り着いた。 
全身に力が入ると同時に、彼の手を握った私の手にも力が入る。 

……ぅぅっ…… 

指とは違う、ぬめっとして柔らかく熱い舌での刺激。恥かしさと心地よさに身体が勝手に捩れてしまう。 
彼は舌で乳輪をなぞり、乳首を弾く様に転がしまくる。 

……はっ……んんっ……ん…… 

乳首を唇で挟まれて引っ張られる。 
…んんっ… 

唇で挟まれたまま、舌で先端を擦られる。 
…うぅぅぅっ… 

快感のさざ波が下腹部にまで到達する… 

軽く噛まれた。 
「きゃうっ!」 

強くて甘い刺激に首筋に鳥肌が立った。声も漏れちゃった。 
瞬間的に、”ポイン”って私の胸で彼の顔を弾くみたいに、背中を仰け反らせてしまう。 
「もっと胸ごと吸って。」って催促しちゃってるみたい…恥かし過ぎるよぉ… 

慌てて胸を引っ込めて身体を捩るけど、吸いついた彼の唇は離れない。 
逆に自分で乳首を引っ張った形になって、その更なる強い刺激に首を振り、身を捩ってしまう。 
首から背中がザワザワしちゃってすごく苦しい… 
腰周りもムズムズしてきて、身体を捩らずにはいられない…… 

私の左手を握っていた彼の手が離れ、空いている左胸に降りてきた。 
片方は舌で、もう片方は指で乳首を刺激される。 

粘膜による、ソフトで広く熱く染み渡るような刺激と、指による強く尖って電流が走るような刺激。 
強さと感触の違いが、異なる快感の波となって背筋を駆け巡る。 
そしてどちらも行きつく先は、ムズムズしているあそこ… 
噴き出てきた汗が、横を向いたままのおでこを伝っている…… 

吐息や声が漏れるのを懸命に我慢している為か、 
身体に力が入りまくって、肩凝りの時みたいに首が痛い。 

ちょっと痛いくらいに胸を掴まれながら、先端を指で挟まれ擦られる… 
声が出ないようにおもわず息を止めるけど、別の胸の先端が舌で転がされる刺激に、無理矢理息を吐き出させられる。 

「っはぁぁあっ!」 

おまけに舌のぬるっとする感覚が、あそこにえっちな液を湧き出させる… 

……恥かしいよぉ。恥かしいよぉぉ。 
胸を揉んでいる彼の腕を掴んで、顔を背けたままでイヤイヤって小さく首を振る。 
零れた汗が、ぎゅっと閉じていた目に染み込んで来て痛い。涙が出て来る。 
だけどその涙は、汗を流す為なのか、極度の恥かしさから来るものなのかはよく解らなかった… 
とりあえず、このまま意識が無くなっちゃえばいいのに。と本気で思うくらいに恥かしかった。 

目をぎゅっと瞑ってるから彼の表情は分からないけど、胸にあった手が離れていった。 
私が掴んだままの彼の腕は、横腹を撫で、ウエストラインを超え、お尻をこするようにして膝の外側へと降りて行く。 
内ももにまわった。…上がって来た…… 

小指側でパンツのラインを擦り上げられ、私はおもわず、彼の腕を掴んでた手を離した。 
しっとりと汗をかき始めている私の内股を、ゆっくりと撫で回る彼の汗をかいた手… 
パンツの際をなぞるように、ふくらんだあそこの外側とビキニラインを行ったり来たり。 

……触られちゃう!触られちゃう!少しだと思うけど絶対濡れちゃってるっ! 
……感じちゃってるのがバレちゃうよぉ……恥かしいよぉぉ………やだよぉ…… 

恥かしさとは裏腹に、触られるのを期待するように、ますますジンジンしてきちゃうあそこが我ながら恨めしい。 
思わず頭の中で「こんなになっちゃったのも愛ちゃんのせいだ!」なんて、メチャメチャな濡れ衣を着せちゃったり… 
でもそのせいで、愛ちゃんの指が私のあそこを掻き回し、ねっとりと舌が蠢く最高の快感を思い出し、あそこが更に疼いてしまう。 

あ……今、垂れちゃったかも………やだっ! 
おもわず彼の手を挟んだまま脚を閉じた。 

私が脚を閉じたせいもあってか、内股を撫で回っていた彼の手が正面に回り、恥かしい毛の上に移動した。 
毛の感触をパンツ越しに確かめるみたいに這いまわる… 
時折パンツの上部に指が引っ掛かり、このまま脱がされてしまうんじゃないかと緊張する… 

…あっ。手が縦になった。……来ちゃう…触られちゃうっ!………… 

私は空いた手で、太ももの脇のシーツを握り締めた。 
噴き出した汗が、また私のおでこを伝っていた。

閉じている私の脚の隙間に差し込むように、彼の手が降りてくる…… 
あっ!…あっ!… 
恥かしくって、閉じた脚におもわず力を入れるけど、 
乳首からの熱は私の腰を捻らせ、せっかく脚に入れた力を削いでいく… 

彼の指の先がポッチを越えた… 
そのまま手のひら全体が、私の脚の間に差し込まれた。 
一本の指は割れ目にぴったりと当り、他の二本の指があそこの柔らかな山を抑え込んでいる…… 

……男の子にあそこ触られちゃったよぉ……濡れてるのバレちゃうよぉ……… 

彼の右手は、私のあそこの膨らみや熱を確かめるみたいに全体を包んで動かない。 
その代わり、膝下に当たっている彼のおち○ちんが動いたのが、パンツ越しにはっきりと判った。 
染み出したエッチな液らしきヌルッとした感触がした…彼に汚されてる…… 
あそこを包む彼の手の温度を感じる…パンツを抑え込まれて、若干湿った感じがする…… 
極度の恥かしさと興奮で、頭が痺れちゃう。 
刺激を待ち侘びるように、あそこは疼き、熱くなってくる。 

彼の手がゆっくりと上下し出した。 
割れ目を抑え込む力がさっきよりも増している。指の付け根が帽子越しにポッチを擦って行く… 
パンツ越しにソフトにあそこを撫でられる感覚に身体の熱さが増していく。 
胸からの刺激とあいまって、あそこがますます潤んでくるのが自分でも判る。 
ポッチも膨らんできてるみたいで、彼の手が上下する際に引っ掛かる感じも、 
その際に拾う刺激も大きくなってくる。 

…ん…はあああっ…… 

一生懸命我慢していた吐息が漏れてしまう…… 

恥かしいのにその刺激を更に求めるみたいに、脚は開いちゃったり彼の手を挟み込んじゃったり… 
胸からの刺激だけでえっちな液が垂れた感じがしたのに、そこも撫でられちゃったらもう…… 

……はあっ……ふあっ……はああっ…… 

もうどんなに我慢しようとしても、咽から漏れる吐息は抑えられなかった。 
早く直接触って欲しい……もっと強い刺激が欲しい…… 
背中を控えめに反らし、彼の顔に胸を押し付けるようにしながら腰をモジモジさせてしまう。 

脚を開いた瞬間を見計らい、彼の手がパンツの中に滑り込んできた。 
恥かしい繁みを越え、三本の指があそこに貼り付いた。 
直接触られた途端、えっちな液がとろっと湧き出したのを感じた。 
…ぃゃぁ。 

「濡れてる……」 
彼は私の乳首から唇を離し、独り言のようにボソッとそう言う。 
とっくに自分では判っていたけど、そういう事は他人に言われちゃうとやっぱり恥かしい。 
シーツを掴んでいた腕で、蛸以上に真っ赤になってるであろう自分の顔を覆い隠した。 
握ったままの手には更に力が入っちゃって、彼の手に爪を立てちゃった。 

彼は私の乳首を吸い、右手をパンツをズリ下ろすかのように深く差し入れてあそこを刺激する… 
……吸いつかれてる乳首はちょっと痛い。 
パンツのフロントは殆ど下りちゃって恥かしい毛が丸見えだと思う… 
手のひらがその毛に押し付けられ、人差し指から薬指の3本の指が大事な溝にそって上下している。 
時折、中指に少し力を入れて溝に押し付けたり、左右に動かしたりしてくる…… 
どちらかというと、襞の間を開こうとするかのようにそこばかりを擦り上げられ、 
おまけみたいに、時々ポッチに当たる指の付け根があまりにもじれったい。 

そっちじゃなくってもっと上に刺激が欲しい…… 
ポッチに指が当たるように、無意識に腰を浮かしたり捩らせてしまう私… 
当たる度に身体が捩れる幅が大きくなって、彼の指が襞の間にめり込んで来る。 
もっと中まで……… 

胸もあそこも、イマイチ丁度良い刺激にならないのがかなり苦しい。 
でも、彼に直接触られている事による恥かしさは、頭の中で興奮と快感に変換されて 
あそこへえっちな液を湧き出させてくる。 

……くちゅっ……ちゅっ……くちゅっ…… 
私の耳にもくぐもった湿った音が届いてくる… 
彼に弄られて濡れちゃってる…… 
恥かしさは益々大きな快感の波となり、全身に広がっていく。 

はあっ……ふあっ……ひゃぁっ……ふああっ…… 

恥かしさが気持ち良すぎるよぉ……痛っ…… 

心地よさの中に時折混じってくる魚の小骨みたいな痛みが、やっぱり邪魔で仕方が無い。 

……やっぱり初めてだとこういうもんなのかな? 
そう思いながらも、貰った分の快感はえっちな液となって溢れ出て来る。 
部屋には空調が効いているのに全身にしっとりと汗が湧き出して、 
シーツに擦れる肌がちょっとベタベタして気持ち悪い。 

やがて彼は、あそこを弄っていた右手をゆっくりと腰からお尻のほうに移動させ、 
私のパンツをズリ下げようとしてきた。 
私も自ら腰を浮かして、彼のその動きを助けてあげる。 
パンツが膝まで下げられた時、私は自分で脚を動かして片脚を引抜いた。 
濡れたパンツの底がくるぶしに触れた。 

彼もそのタイミングに合わせて自分のパンツを脱いだのが、顔を覆ったままの腕の隙間からチラッと見えた。 

私と彼。二人の生まれたままの姿がそこに現れた…… 

彼はなおも無言のままで、同じように私を愛撫する… 
できれば生まれたままの姿になった今、単なる刺激じゃなく、 
力いっぱい抱き合って、彼の体温と匂いを感じたかった。そして私の温度も感じて欲しかった。 
そうやって精神的な安らぎと快感が欲しかった。 

……せめてキスだけでもして欲しい。 
キスを求めるように口をパクパクしても、胸に顔を埋めたままの彼にはその思いは届かない。 

握ったままの手と顔を覆っていた手、両方を使って彼を抱きしめようとするものの、 
与えられる刺激に悶えるかのように、彼の肩や背中を擦ってしまうだけ… 
それが更なる刺激を求めていると思われてるのか、彼は益々強く乳首とあそこを撫で、吸いまくる。 

心の物足りなさとは関係無く、湿った音を立てているわたしのあそこ…… 
確かに気持ちいい。でも、どこか無遠慮になっている強い刺激が棘みたいに違和感を与えてくる。 

ものの15分程前とは別人みたいに、荒く私の身体を求めてくる彼。 
……やっぱり私の事を好きじゃなくって、えっちだけに興味があるのかもしれない。 
好意とか愛情が無くってもいい。と思っていたはずなのに………こういうのって寂しい…… 

…はぁっ……はぁっ…いっ…うんっ…つっ……ふあぁぁ…… 

寂しさや痛みが混じりながらも、快感に喘ぐような荒い吐息は勝手に出てしまう… 

私の気持ちと、女の身体がバラバラに動いている… 
………なんだか辛い。早く終わって欲しい… 
ぽろっと涙が零れた。 

「……そろそろいい?」 
鼻息も荒く、彼が顔を背けたままの私に声をかける。 

「……ぅん……」 
私は零れた涙を見られたくなくって、そのままの態勢で頷いた。 

彼は膝を立てるように私の脚を開き、その間に身体を入れてきた。 
そして膝を掴んで、太ももを体と直角になるくらいまで持ち上げる。 

必然的に開き気味になったあそこが熱い… 
どこか投げやりっぽくなっている気持ちとは裏腹に、 
身体はあそこを刺激されるのを待つみたいにヒクヒクしてしまう…… 

そのままの態勢で何も起こらず、時間だけが流れていく… 
……彼にあそこを見られちゃってる。 
部屋はちょっと暗めだけど、えっちな液で濡れてたり、それが垂れているのを見られてる…… 
そしてほんのり漂う私のえっちな匂い。……彼に嗅がれてる…… 

その恥かしさは身体を火照らせ、早く迎え入れようとするようにえっちな液を湧き上がらせる。 

「……見ないで……恥ずかしい……」 
顔を両手で覆ったまま、小さい声で彼に訴える私。 

「ご…ごめん。」 

彼が腰を突き出すように、私のあそこに身体を寄せてくるのが指の隙間から見えた。 

「……ゴム……着けてくれた?」 
「あっ!…ごめん……」 
「ちゃんと着けてね……あたしまだ子供産みたくないから……」 
「ご…ごめん。」 

彼は慌てたように私の脚を離し、部屋の中を見回してベットサイドに手を伸ばした。 
もそもそと、おち○ちんにコンドームをはめようとしている彼が見える。 
焦っているのか、なかなか上手くはめられないでいる…… 
先っぽに空気が入っちゃって、一旦外してはめなおしてる……… 

慌てたり謝ったり。そのドジさ加減は、さっきみたいな嫌な荒々しさのカケラもなく、 
いつも見ている、ちょっとヘタレな彼だった。 
今度は毛を挟みこんじゃって痛かったらしく、途中まで撒き戻してる。 
薄いピンク色のゴムを中途半端にまとった、勃起して反り返っている大きなおち○ちん… 
そんな光景を見てしまうと、いやがおうにも、その時がカウントダウンに入っている事を実感させられる…… 

入れられちゃうんだ……女になるんだ………その相手は彼……いいんだよね?…… 
…ホントにいいんだね?…………止めるなら今が最後のチャンスだよ?…… 
自分の心に改めて確認をとる。 

……愛ちゃんの顔が脳裏をよぎる… 
そして音楽室で私に言った言葉がはっきりと蘇る。 

(…の事、あさ美ちゃん好きやろ。) 
(…その人にしてもらうのが一番やろうし) 
(…多分、その子もあさ美ちゃんの事好きやと思うし。) 

今、生まれたままの姿で彼とこうして向き合ってるけど、いいのかどうか確信が持てない… 
言葉で伝えなくとも私の気持ちを読み取ってくれる、大好きな愛ちゃんのあの言葉… 

(…気持ちが許せて信頼できる相手でなけりゃ…) 
(後悔しとる?…) 

未だにごそごそやっている彼を見る。 

(……うまくいかなかったらごめんな。) 

ガチガチになりながらも、私の目を見てさっき彼はやさしくそう言ってくれた… 
体だけじゃなく、心までも抱いてくれるように包んでくれた腕。そしてキス…… 

…大丈夫だ。私はこの彼が好き。彼以外の男の人はありえない。 

カラダを合わせる不安や葛藤が萎んでいく…胸は苦しいけど、さっきまでみたいな辛い苦しさじゃない…… 
キスしてる時みたいな、体の奥底から熱が湧いてくるような温かい苦しさだ。 
身体全部が心臓になっちゃったみたいにドキドキして、堪らなくなってくる。 
あそこが疼く。ポッチが勃っちゃって触れられてないのにジンジンしてきた…… 

「…もぉおん……早くぅん……」 
悪戯っぽい色を帯びた、そんな言葉が私の口をついた。笑みも自然に零れた。 

私のえっちな部分を見て欲しい…いやらしい匂いも嗅いで欲しい……私の恥かしい部分全部を……… 

彼にあそこを見せつけるように、私は控えめながら脚を開いた。 
ヒクヒクしてどうにも落ち着きがないお尻の穴に、えっちな液がとろりと垂れて行った。 

なんとかコンドームを着け終わった彼が、再び私の両脚を掴みその間に身体を入れてくる。 
私は両手を彼の首に回して、彼の身体を自分の元に引き寄せた。 
彼の胸に私の胸が押しつぶされる。心臓の鼓動が伝わって来る。そして彼の体温… 

はぁっ… 

彼の首筋に顔を埋めて匂いを吸い込む。そしてそこを噛むみたいにキスをする。 
彼の匂い。ちょっとだけしょっぱい彼の汗の味。……嬉しい………好き。 

彼のおち○ちんの先が、私の濡れた襞の間に触れた。

彼の熱いおち○ちんが私のあそこに当たってる… 
緊張よりも興奮し過ぎて、彼の首に回した腕が震えてしまう。 
彼の胸に潰されてる乳首も、あそこのポッチも痛いくらい勃っちゃって、どうにも堪らない。 

だけど、当たっているのはおしっこが出るあたり。 
先っちょがツルツル滑ってポッチを突付いててくる…妙な快感が背中を走る。 
…入れる前に、おち○ちんで割れ目を擦ったりするのかな?気持ちイイから良いけど… 

指よりも太く熱くゴツゴツしたおち○ちんで擦られたら気持ち良いかな? 
彼のおち○ちんの姿を思い出しながら、一瞬そんな事を考えた。 

彼は割れ目を擦るわけでもなく、何度も滑りながら、そこにグイグイとおち○ちんを押し付けてくる… 
「ひゃんっ!…」 
ちょっとだけ割れ目に沈んだおち○ちんの先っちょがおもいっきり滑り、ポッチを下から叩かれて声が出た。 

彼は尚も同じ所に先っちょを当てて押し込もうとしてくる…… 
もしかしたら、入る場所を判ってないのかな? 

「…そこ……違う……」 
私はそっと彼のおち○ちんを掴んで、割れ目をなぞるようにしながらその位置を下に下げ、 
入り口の浅い凹みに先っちょを導いた。 
…手で触れた幹の部分がヌメッとしている 
……私のえっちな液だろうか?…それとも彼のものなのだろうか…? 

こうしている間にも、あそこからえっちな液が湧き出してるのが自分でも判る… 
……彼のおち○ちんを私のえっちな液で汚しちゃってる…… 

恥かしさと興奮は益々エスカレートしていく。 
もっと汚したい……そして彼のエッチな液でもっと汚されたい……愛ちゃんとの時みたいにグチョグチョに…… 

どこか変態的欲求に頭が朦朧としてくる。 
あそこはもう自分で掻き回しちゃいたいくらいにムズムズしちゃって、とにかく苦しい。 

「……ここ……?」 
「…うん……」 

私が自ら入り口に導いたおち○ちんを彼の手に渡す。 
そして彼のおち○ちんから離した手を、再び彼の首に回してしがみついた。 

いやらしくって変態さんな私を見て欲しいっ… 

今の態勢では見える訳も無いのに、私は両足を持ち上げて膝を曲げ、 
ちょうど赤ちゃんがオムツを替えてもらう時みたいに、あそこを大きく開いた。 
またお尻に向って垂れるえっちな液…… 
丸く熱い彼の先っちょが当たっている入り口がヒクついた。 

……早く、私のえっちなあそこをおもいっきり掻き回してっ…… 

催促するかのように私は腰をちょっとだけ突き出した。 
おち○ちんに突付かれる圧迫感がする。 
……………入れて…… 

初めて入れられる怖さを若干残しながらも、メスとしての私のカラダは 
まさに入り込んでこようとするおち○ちんを迎え入れようと、えっちな液を吐き出し続ける。 

自分の、甘く酸っぱく生臭いえっちな匂いも強くなってくる…… 
心臓の鼓動も早くなってくる…… 
頭も目も霞む…… 
はやくおち○ちんを私のえっちなあそこの中に……… 

彼を誘うように、私は目の前の首筋を甘噛みした。 

ついに彼が、おち○ちんに自分の手を添えて、刺し込むみたいに体重をかけてきた… 
熱い先っちょが少しめり込んでくる……今にもつるんって滑りそう……そのまま押し込まれる…… 

……くっ……… 

メリメリッと音が鳴ったと思うくらいに、あそこに割られるような鋭い痛みが走った。 
おまけに、熱い鉄の棒でも無理矢理突き刺されてるみたいな強烈な圧迫感。 
おもわず腰が引けちゃうけれど逃げ場は無い…持ち上げていた脚を下ろせるだけ…… 

……う……ぐぐ……うううっ……ううっ…… 

必死に力を抜こうとしても、引き裂かれるような痛みに、どうしても息を詰めて全身に力が入ってしまう…… 

痛い……苦しい…… 

彼におもいっきりしがみ付き、首筋に顔を埋めたまま痛みをこらえる。 

汗が吹き出してくる… 
ぐっと我慢していて眉間が痛い。 
噛み込んだ下唇からちょっと血が出たみたいで、鉄の味がした。 

あそこに手でも入れられて引き裂かれてるみたい。痛い。おもわず彼の背中に回した手の爪を立てちゃった。 

…いいっ……あっ…ぐっっ…… 

あそこを無理矢理割っていたおち○ちんが、途中から”ガボッ”って感じに先っちょが全部はまり込んだ。 

あ゙ぅっ………… 

首が仰け反り、全身が硬直した。 

……痛いよ…痛いよ…… 

おち○ちんの首の部分が引っ掛かってるあたりから、ビリビリする痛みがしてる… 
そして、あそこが壊れちゃってるんじゃないか。と思うくらいの巨大な違和感…… 

息をしようにも、その方法を忘れたかのように、口からも鼻からも空気が入ってこない。 
パクパクと金魚みたいに口を開け閉めしてみるが効果無し。 
そんな私をよそに、ゆっくりとだけど、彼は更に体重をかけて奥へと侵入してくる。 
痛みを奥へ押し込もうとでもするように、メリメリと中を割り開いてくるおち○ちん…… 

……苦しい…息が出来ない……… 

彼にしがみ付く手にもますます力が入る。 

……ぐうっ……ううっ……かはっ…… 

久々に肺の中に空気が入って来てくれた。 
一瞬身体から力が抜けたのか、ズルッとおち○ちんが奥へ進んだ感じがした… 

「痛い?大丈夫?」 
嗚咽を漏らす私の耳元で、申し訳なさそうな声で彼が聞く。 

「……ぅん……でも……大丈夫……」 
痛みを堪えながらそう答えたけど、やっぱり辛い。涙声になる私。 

痛みから逃げようと、私の身体は開いていた脚を閉じて彼の腰を膝で挟み込む。 
それに対抗するように、彼は閉じようとする私の脚を大きく広げるように腰を沈めて来る… 
さっきの感覚を思い出し、私は浅い呼吸をしながら、力を抜こうと一生懸命に息を吐き続ける。 

……んぐぅ……うううっ……はぁっ…んんっ……ぐっ……うぅぅ……はぁっ…… 

火傷しそうに熱く硬い感触が、息を吐く毎にズルズルと奥にめり込んでくる………苦しい…苦しい…… 

あそこ一杯にペットボトルでも入れられてるような違和感は、彼が沈んでくるごとに益々大きくなってくる…… 

あぅ…… 

あそこの奥に”ゴツン”と何かが当った感じがした。 
そこで彼の動きも止まった…… 
ぎゅっと彼の首に回していた私の腕からも力が抜けて、上体がベットの上にズルリと落ちた。 

「…入ったよ紺野……大丈夫?」 
汗をかいていた私のおでこにキスをして、彼がやさしくそう言う。 
目をぎゅっと瞑ったまま、無言で頷き、そして痛みを散らそうと浅い呼吸を続ける私… 

あそこからくるビリビリとした痛みと凄い違和感は、やっぱりちょっと辛いけど、 
彼の声にようやく身体の力を抜く事が出来た。 
下腹部がとんでもなく熱い。そして重い…… 
おち○ちんが入っているあそこに力が入らないように、脚からも力を抜いてみる。 
……大股開きになって凄く恥かしい。でも妙に興奮してしまう。 
彼のあそこの毛がポッチをサワサワしてて、痛みの中に米粒みたいにちっちゃい快感を与えてくれていた。 

私はゆっくりと目を開けた。紅潮した彼の顔が間近にあった。 
瞬間的に、頭の隅っこで「絶対に酷い顔してる。」っていう声が聞えた。 
恥かしくって慌てて両腕で顔を覆った。 
自分の脇から汗の匂いがして、もっと恥かしくなった。 

「綺麗だよ。紺野……俺にその顔見せて。」 
彼はそう言いながら、私の腕をゆっくりと顔から剥し、両手をギュッと握ってくれた。 
だけど、ぐちゃぐちゃな顔はやっぱり見られたくない。 
私は自分の脇に顔を埋めるみたいに顔を背ける。 

「…すごく可愛いよ。紺野」 
彼はそう言いながら、汗でおでこに貼りついた私の髪を漉いたり、 
汗を舐め取るかのように、ほっぺや首筋にキスを落してくる。 

「ここもいい匂いする。」 
汗をかいて臭っている腋の下まで舐めてきた。 
「やん…そんなとこ汚いよ。」 
「紺野のここ。…汚くなんて無い……美味しいよ。」 
恥かしいし、くすぐったいけど、私の汚い部分まで舐められてるという事に極度に興奮してしまう。 

あそこはジンジンと痛むけど、何時の間にか私は、そんな彼の言葉やキスでリラックスしてきていた。 
そして、おち○ちんを挿し込まれたままで身体を舐められる事に、快感を得始めていた。 

私の中に一杯にはまっている彼の熱く大きいおち○ちんを、初めて実感する。 
痛くって力は入れられないけれど、硬く力強いその感触をあそこで味わう。 

…彼と繋がったんだ……私…… 

ぽろっと涙が零れた。 

彼の脇から背中に腕を回して再びしがみつき、私からキスを求めた。 
彼の唇を吸いながら、この、あそこの重いくらいの圧迫感が、女の子から大人の女性へ脱皮した証なんだと思った。 

唇を離した後、彼は私の背中に腕を回して、しばらくそのままの状態で抱きしめてくれていた。 

完全には体重をかけて無いみたいだけど、彼の重さでちょっと苦しい。 
ほんのりとケモノ臭い感じのする彼の匂い。 
私のあそこにギュウギュウに入っているおち○ちんの熱さ。 
その全てが、彼に捕われちゃってるみたいに思えてくる。 

虫ピンならぬ、おち○ちんを突き刺されて、生きたまま彼のコレクションになったチョウチョみたい。 
彼の思うままに、見られ、撫でられ、羽ばたかされてみたい… 
逃げようと思っても、彼の匂いに誘われて戻ってしまうんだろう… 

…従属ってこういうのを言うのかな? 
苦しかったり痛かったり辛かったりするのに、彼にしてもらえるのなら、どんなえっちな事も出来そうな気がした。 

なんだか麻痺しちゃってるあそこに何故か痛みが欲しくって、大股開きで力を抜いていた脚を彼の腰に絡めてみた。 
密着したせいで、あそこのビリッとする痛みと共に、奥で当ってる所を更に押し込まれて苦しくなる。 
もっと苦しさが欲しくって、彼の背中に回した両腕と、絡めた脚に力を込める。 

…くっっ…… 

ポッチも潰されて快感も背中を走るけど、苦しさが頭を痺れさせる。それがなんだか気持ちいい… 

……苦しい……苦しい…… 

自分の吐息が、切れ切れながらも荒くなっていく… 

愛ちゃんとのえっちは開放感と柔らかさがあまりにも気持ちよかった。 
方や、今、彼とのえっちは苦しさが気持ちいい。 
女の子同士のえっちとの違いはコレなんだろうか…… 

それを確かめるかのように、私はあそこに力を入れたり抜いたりして、痛みと苦しさを味わっていた。 

「動く……よ。」 
彼がそう言って、ゆっくりと腰を引き始めた。 

いっ……いっ…… 

擦られる入り口から痛みが走る。 
中は先っちょの首が当るのか、ゴリゴリと擦られて苦しい… 

「うふゅん。ふぁ……」 
彼が変な声出した。腰も痙攣みたいに震えてる。 

おち○ちんが半分出たあたりから、またゆっくり中に入ってくる。 
割られるみたいでこっちの方が苦しさが大きい。 

「んあ゙ぅ…」 
……息が詰まる… 

「…ふゅ…うあ」 
…また彼が変な鳴き声出した。 

ゆっくりとだけど、私のあそこの中をそんな感覚を持って出入りを始める熱いおち○ちん… 

ううっ……ふうっ……ううっ……ううっ…… 

痛み、違和感、苦しさで、私の口からは嗚咽のような音が漏れてしまう。 
だけど頭はビリビリと痺れっぱなし。 

もっと苦しくして…… 

自分の嗚咽と、彼の、時折変な鳴き声が混じる荒い息を聞きながら、私は彼の背中と腰に回した両手と両足に力を入れる。 

うっ……んぐっ……んっ……ぐっ…… 

あそこの中の空気を口から押し出してるみたいに、おち○ちんを押し込まれる度に声が漏れる… 

中が物凄く熱い…… 

抱き締めた彼が動く度、お腹に熱気が当ってる…… 

顔を当てた彼の首筋から流れた汗が、私の唇をかすめていく…… 

彼の腰に回した私の脚が、二人の汗で滑る…… 

眉間に寄った皺から導かれるのか、自分の汗が瞑った目の中にやたらと染み込んでくる…… 

んんっ…んんっ…ふふぁ…んんっ…んふぅ… 

…うっ…んっ…うっ…い゙っ…んっ… 

絡まり合う彼と私の鼻息と声………… 

彼とえっちしてるんだ………わたしのあそこで彼のおち○ちんを汚してるんだ……… 
苦しさからなのか、恥かしさからなのか、それとも興奮からなのか、 
頭の中の霞と痺れが深く大きくなり始めていた…… 

…んふゅ…んんっ、ふゅ…んふ… 
動き始めて5分経っただろうか。彼の鼻息の中に頻繁に変な音が混じり始めた。 

「んふゅ…ごめん……もう……出る……」 

彼はそれだけ言って、おち○ちんを私のあそこ奥深くまで突いて、動きを止めた。 
止まったせいで、ムッとする熱気と彼の匂いが留まって強くなる。 
それに混じって微かに匂う、私の生臭いえっちな匂いと腋の匂い…興奮で軽い眩暈がした。 

彼が私の背中を抱く腕に力を入れる。 
行き止まりのドアをおちんちんの先で叩くみたいに、腰をギュッと押しつけてくる。 

「んぁっ…」 

圧し込まれたのと、ポッチと乳首を潰されてたのとで背中が仰け反り、それと一緒に私のあそこに力が入った。 

「紺…野…んっ…くっ…」 

なんとなくだけど、中でおち○ちんがちょっとだけ膨らんだ気がした。 
おもわず力を入れちゃったあそこが痛かった。 

「んう゛っ…」 
喉の奥から搾り出すような声を出して、彼が一瞬腰を震わせた。そして脱力… 
さっきまでより倍近くの重みが加わって苦しさが増す。 

重い…苦しい…気持ちイイ…… 

それを感じながら、彼が背中にしっとりとかいた汗を伸ばすみたいに、回した手を上下させる私。 
腰からお尻のあたりに一番汗かいてるみたい……触れたお尻が固かった。 

…はぁっ…はぁっ…… 

私を抱き締めたまま、荒い息を吐き続ける彼……… 

彼の荒い吐息が私の耳をくすぐる。 
嬉しい…幸せ…汗で濡れた彼の肌が気持ちイイ…頭の中で心臓がドクンドクン言ってる… 
こうしてずっと抱いていて欲しい。 
性感とは違う胸が熱くなる気持ち良さに、私は暫く揺られていた。 

私におもいっきり体重をかけたままで暫く抱き締めてくれていた彼が、 
私の背中に回していた腕を離してゆっくりと体を起こそうとした。 
抱き合っていたい私は、彼の背中に回した腕に力を入れる。 

この重さが無くなるの嫌だよ…この彼の匂いも汗も体温も吐息も、この苦しさももっと欲しい…… 

「…紺野……ゴム外れちゃうから離して。」 

……あ、それは嫌だな。 
100%赤ちゃんが出来ないのなら、彼の精液で全身を汚されてみたかったけど…… 

仕方なく腕を離し、そっと目を開けた私の目に、汗でキラキラ光る彼の胸が映った。 
まだ腰を抱え込んだままの私の脚を、引き剥がすみたいに開かれる。 
そして、まだまだ硬いままのおち○ちんを引き抜かれた。 

は…あ…うっ…… 

入り口に引っ掛かったおち○ちんの首が抜けた時、また強い痛みが走った。 

まだおち○ちんが中に入ってるみたいな違和感があそこに残る… 
ボッコリと脚の間に大きな穴が開いちゃってるみたいな感じ…… 
……食べた物がストレートに、ここから全部出ちゃいそうだな。 

あそこの違和感を感じながら、今日初めて天井に焦点が合った。……あれ?鏡? 
逆さまになったカエルみたいな格好の、丸裸の私が居る。 
その大きく開いた脚の間で、彼がおち○ちんからゴムを外そうとしてる… 

私ったら物凄く恥かしいカッコしてる…彼にあそこ見せちゃってるし……匂ってるんだろうなぁ…… 
自分の汗なのか彼の汗が付いているのか、ヌメヌメと光っている鏡の中の私の裸。 
赤味がかった肌が、その全身からえっちな匂いを発散してるみたい…… 
そんな私が、どこか虚ろな目をして私を見返してきてる……… 
鏡に映るのは私なのに、突然、数日前の愛ちゃんの裸がそれに被さった。 
あの甘い匂い。熱。汗……味………… 

中途半端に疼いたままの身体が、勝手に動く。 
もっと恥かしくなりたい…もっとえっちな匂いを撒き散らしたい…えっちは空気に包まれたい…… 
……そんな私を彼に見られたい……嗅がれたい……… 

天井に映る自分の裸を見ながら、私はあそこを開くように脚を広げ、 
頭の上で腕で丸を作るみたいに、腋を開いた。 
強く鼻に感じるえっちな匂い…腋のツンとする匂いもかなりする…そこを汗が伝ってる… 

…恥かしい…恥かしい…嬉しい……気持ちイイ………興奮しちゃう。 

穴の開いたあそこからの痛みとは違う熱が、乳首からの熱と一緒になって背中をくすぐる。 
無意識に自分の手があそこに伸びた。全体を覆うように触れた手に、ヌメッた感触。 
指先にいつもとは違う液体の感触がした。…汗? 
その手を顔の前にかざしてみる。 

「あ、血…。」 
私のその声に、おち○ちんを持ちながら鏡の中の彼が顔を上げた。 
私もその赤い指を眺めながら、上体を起こす。彼と目が合った。 

彼が持ったままのゴムの先っちょには白い精液が溜まり、外側には薄っすらと赤い液体が着いている。 
そしてM字開脚をした私の脚の間の真っ白なシーツには、手のひら大の赤い染みがあった。 

「これって……あたしの初めてのしるしだよね。」 
「……そう…だね…。」 
丸裸で私の脚の間に正座をしたままの彼が、どこか恥かしそうに私を見ながらそう言った。 

中途半端に大きいままのおち○ちんを見ながら改めて思う。 
あれが私の中を擦ってたんだ…… 
彼としちゃったんだ…… 
彼に処女をあげちゃったんだ…… 

嬉しいような恥かしいような、そしてほんのちょっと悲しいような変な気持ち。 
愛ちゃんの顔がチラッと脳裏をよぎった。 

おち○ちんから彼の顔に視線を上げたら、所在無げに彼は視線を泳がしている。 
私の方、ちゃんと見てよ…… 
無言で視線をさまよわせる彼を見ながらそんな事を思う。 

また愛ちゃんの顔が脳裏をよぎる。今度はどこか悲しそう。 
…何だろう?このモヤモヤした感覚…… 

「…こ、紺野……あそこ……おもいっきり見えちゃってるから…。」 
彼の胸に愛ちゃんの顔を思い映しながら、モヤモヤの原因を探る私に、 
顔を真っ赤にしながら、彼がそう言った。 

え?…やだっ。 

彼に見せつけるみたいにM字開脚していた自分の股間を見つけ、慌てて両手であそこを隠した。 

「…え…えっち……」 

ほっぺを膨らませて彼に怒ってみせる私。 
内心では、「見られたい。」「匂いを嗅がれたい。」とか思ってたけど、 
彼の恥かしそうな表情が伝播したのか、ものすごく恥かしかった。 
そして、丸裸で彼と向かい合っている事が、何より恥かしかった。 
彼を見てたら、中からトロリと手に零れてきた粘性のある液体が、やたらと熱く感じた… 
……彼にバレないように、そっとその液体を襞の間に擦りつけた。 

「…」 
「…」 
沈黙が続く… 
チラチラと彼の視線と私の視線が絡むけど、この後どうしていいのか判らない。 
それになんだか動けない……なんか恥かしくって照れちゃって… 

「…シャ、シャワー浴びてくるね。」 
ただただ恥かしくってドキドキしちゃってどうにもならなくなった私は、 
そう言って胸とあそこを隠しながらベットを下りて、浴室に駆け込んだ。 

明るい浴室の中で自分の手を見る。 
白濁した自分のえっちな液の残骸の先。指先についた生理のモノとは異なる鮮やかな赤が、やけに綺麗な色に見えた。 

二人ともシャワーを浴び、脱いだものを再び着て私たちはホテルを出た。 
入ったトコと違う道に出ちゃってちょっとびっくり。…で、道に迷う。どっちに行けばいいんだろ。 
…来る時に嗅いだ焼鳥の匂いが漂ってくる。…多分あっちが正解。 

シャワーの後から、彼の「出よっか。」という言葉以外、二人とも無言のまま。 
来た時と逆の道を、来た時よりも照れの分だけちょっと離れた間隔を置いて歩いていく。 

出来たら、もっと彼に寄り添いたい。手を繋ぎたい。 
そんな事を思ってチラチラと彼の手を横目で見る度、 
胸をあそこを触られた感触を思い出しちゃって、恥かしくって手を伸ばせない。 

ほんのついさっきまで自分がしていた行為が、まだ信じられない。 
…彼と生まれたままの姿で肌を合わせちゃったなんて。 

だけど、今私の隣にいる彼の、唇、胸、背中、肌、そしておち○ちんの感触と熱さが、 
私の全身にはっきりと残っている。 

あそこの痛みと、まだおち○ちんが入ったままみたいな、この違和感… 

……あの苦しさをもっと感じてみたい…… 

純粋な快感が足りなかっただけに、そう思うだけであそこからは痛みとは違う感覚が湧き上がって来てしまう。 
今すぐにでも、愛ちゃんがくれるねっとりとした快感と浮遊感が欲しかった。 

……だめ!……彼としたばっかりなのに……汚れてるのに…… 
…?…汚れてる?…シャワーも浴びたのに何が…… 

ホテルの中で愛ちゃんの顔が浮かんだ時の、あの妙なモヤモヤが大きくなる。……何だろう。 
私のほうにちょっと伸びたり戻ったり、握ったり開いたりと、 
落ち着きの無い彼の手を横目に見ながら考えても、やっぱり何かが解らない。 

おもいきって彼にぴったりと寄り添って、胸を押し付けるくらいに腕を絡めた。 
…彼の素肌から体温が伝わって来る。ドキドキしちゃうけど、なんか安心した。 

「…………」 
ちょっと驚いたみたいに私を見る彼。 

「えへへ……今だけいいでしょ。だって、あたしの初めての相手だもん。」 
さっきまでの濁った感覚は霧散して、幸せなドキドキ感に心が埋め尽くされる。自然に笑みが零れる。 
大好きな人と腕を組んで人ゴミの中を歩けるなんて、まるで夢のようだった。 

同じ年頃の女の子の集団とすれ違う。背中の方で、「彼欲しいなぁ。」なんて声。 
今だけかもしれないけれど、恋人同士に見られたみたいでちょっとした優越感。 
彼女らを追いかけてって、「今さっき、えっちしたてのホヤホヤなんだよ。」って言ってみたらどうなるだろう。 
ちらっと彼の股間に目が行っちゃって、変な笑みが出そうになった。 

彼は私の歩幅とスピードに合わせてくれてるみたいだけど、あそこの違和感と残る痛みでなんだか歩きにくい… 
「どうした?」 
そんな私に気がついたのか、彼が聞く。 

「ん……まだちょっと痛くて……なんだかまだ足の間に何か入ってるみたい……」 
「そんなに痛かったのか?」 
「うん……でも、まぁ、こんなもんかなって。…ね、そっちの感想は?」 
「あ……紺野の中……とってもあったかくて気持ちよくて……まるで俺が溶けていきそうだった…」 
顔がカァ−っと熱くなる。 

「もう……やだ……」 
嬉しいけど恥かしい。「あったかくって。」なんて……赤くなって俯く私。 
そっちのおち○ちんのほうが、熱くって硬くって大きくって凄かったのに。 
その物体の映像がまざまざと蘇って来て、益々顔が熱くなる。 

「ごめんな。俺がもっと上手だったら紺野をもっと……」 
恥かしいのか、私のほうじゃなく前を見たままそう言う彼。 

「いいよ……二人とも初めてだったんだもん、仕方ないよ。 
だいいち……あたし他の人なんて知らないから比べられないもん……上手いか下手かなんてわかんないよ…」 
私は自分の足元を見ながら、彼にそう答える。 
………少なくとも愛ちゃんと比べたら、気持ちよさは雲泥の差があったけど。 
愛ちゃんと比べちゃうのも、何か違うと思うしね。 

「…………」 
…彼のほうから負のオーラみたいのが来るんですけど。 

「……そ、それに……もし上手じゃなかったとしてもこれから二人で経験重ねていけばいいじゃん。ねっ。」 
そう言って慌てて言葉を付け足す私。 
慌てちゃった分、「二人で経験」なんて言っちゃったけど、しれっと流した。 
快感とはまた違った感じだったけど、あの苦しさはまた味わいたかった。 

「……あたし初めてだったけどちょっとも緊張しなかったし、こわくもなかったよ。 
してる最中だって……すごく安心できた…… 
あたし…初めての相手があなたで良かったと思ってる……」 
ちょっと凹んでいるみたいな彼に、そう言ってみる。 
言ってる途中から恥かしくなって、段々声がちっちゃくなったけど… 

ホントはすごく緊張したし、怖かったし、不安で堪らなかった。 
だけど、おち○ちんを入れられたまま、強く抱きしめられていたあの時間は、 
嬉しさだけが身体の中を満たしていた。 
そして相手が彼で本当に良かったと感じていた。 

組んだ腕に力を入れて、彼の顔を見上げた。 
「…………」 
彼は照れたみたいに少し横を向いた。 

この横顔を見ていたい。年中こうやって寄り添っていたい。 
出来る事なら、本当の恋人同士に…… 
そして、手を繋いだり腕を組んだりして、お買い物したり美味しいお店をまわったり。 

脇を通る車のライトが、一緒に歩く彼の横顔を一瞬だけクリアーに照らし出す。 
「好き」って言いたい。けど…やっぱり怖い。 

「ね、これ見て。」 
組んでいた腕を解いて、彼の前に回って自分の両手を合わせてものを掬うような形を取る。 
そしてその手を彼の前に差し出した。 
彼が怪訝そうに少し顔を下げて、その手の中を見ようとする…… 

………ちゅっ……… 

私の唇が彼の唇に触れた…… 
暗がりだからはっきりとはわかんないけど、彼ったら少し驚いてるみたい。 

「……だからまたしよっ、ねっ。」 
俯きながら思いきって言った。 
「好き」って言うのが怖くって、キスと、ちょっとあからさまな言葉で告白した。……つもり。 

……心臓がバクバク言っちゃって、顔を上げる事が出来ない。 

「……」 
中途半端に口を開いて無言のままの彼… 
どう返答されるのか怖くなって、私は彼をそこに置いて駆け出した。 

「あ、紺野……」 
「…なに?」 
すぐさま彼に呼びとめられた。背中を向けたままで立ち止まる。 

彼は無言のまま。 
もしかしたら……ううん。私なんて… 

「ぁ…」 
「じゃ、あしたまた学校でね。バイバイ。」 
振りかえって、何か言いかけようとした彼の声に自分の声を無理矢理被せ、 
シルエットでしか見えない彼に、大きめに手を振りながら、家への道を歩き出した。 

どういう答えであろうと、やっぱり聞きたくなかった。 
カラダだけの関係でもいい。その時だけでも恋人みたいな関係を彼と出来るのなら…… 
今のままの関係なら、えっちへの興味と言う名目で、確実に彼と抱き合える時間が持てるであろうから……… 

あそこに残る違和感が嬉しかった筈なのに、今は心に開いた穴みたいに、ちょっとだけ寂しかった。 
そしてこれからは、一方的な彼への想いを押し殺したままで、 
単に快楽だけを求めるが如く彼に裸を晒し、関係を続けようとする自分が怖かった。 

そしてこの先、私がどうなってしまうのか不安で堪らなかった…… 

エピソードZ -羽化- (了) 
- Metamorphose 〜変態〜 -