解いた脚があっちから勝手に絡まって来た。 ―あさ美ちゃんて脚絡めんと寝れんやな。 それを逃がさないように両脚でギュッと挟み込み、 ベットの下に転がってた筈のリモコンを拾ってテレビを点けてみた。 …ジャミジャミや。 …テレビショッピング。 …ピー!やって、ピー! …映画? ……つまらん。 寝返りを打って、またあさ美ちゃんの方を向く。 ピッタリと引っ付いて改めて脚を絡め、繋ぎ直した手を自分の胸の中に抱えた。 あさ美ちゃんの左手を握ってる里沙ちゃんの手。 絡まってる隙間に、あーしの空いてる方の指先を差し込んでみる。 「……」 今度は里沙ちゃんの髪を遊ぶ。 「……」 …里沙ちゃん起きんやろか? 耳を撫でてみる。 「……」 指を穴に差し込んでみる。 「…動かん」 耳たぶをクニョクニョ。 「……起きん、の」 …ほっぺ撫でたいけど、せっかくあさ美ちゃんと握っとる手、乗っとるし。 代わりに眉毛摘んで引っ張ってみた。 「……」 …呼んだら起きるかな? 「里〜沙〜ちゃ〜ん」 あさ美ちゃんを起こさない程度の声で呼びかけてみた。 ―なんか無性に里沙ちゃんと話がしたい。 ―やけどどんな話しよか。 ―いつもバカ話ばっかりやから、こんな時は里沙ちゃんの好きなとこ全部話してやろか。 えっちの後は里沙ちゃんてすぐ寝てまうし、『ぴろーとーく』ってのした事ねーしの。 それに、そんな時じゃなきゃ言えん恥ずかしい事も、 今やったら寝ぼけとるやろうから、なんとか言えそうやし… ―最近めっきり美人さんになったとか、怖いくらいセクシーに見える時あるとか。 …まあ、殆どの時間はオモシロ人間やけどな。 「里〜沙〜ちゃ〜ん」 あさ美ちゃんも里沙ちゃんも、どんな夢見てるんやろ… あーしが登場してるとええな。 そういやさっきのって初夢なんやったっけ。覚えてえんケド… …寝とる人にえっちな事したら、えっちな夢見るんやろか? ……里沙ちゃん相手してくれんかったら、えっちな悪戯して後で聞いてみっか。 「里〜沙〜ちゃ〜ん。の〜ぉ〜」 あーしの心の中の企み他が聞こえたのか、 目を瞑ったままの里沙ちゃんが、眉間に皺を寄せた。 ――この顔もあーし好きやよ。 知っとる? この顔見とぉて、テキトーな事わざと言ぅたりしとんの。 多分、あさ美ちゃんはこの事確実に知っとるよ? 「の〜お〜♥」 あ、動いた! (了)