SIDE OF ASAMI 番外編(クリスマス編)

     ◇◇◇

――1――

「どう動けばいいのか判らん…」
「あんなもんじゃないのかな?」
「…そうなんや」
「私もされるほうだから、きちんとは判んないけど」
「じゃさ、今度はあさ美ちゃんがシテみて?」
「え?私がスルの?」
「だめ?」
「えへ。いいよ。私もシテみたかったし」
「あ!その前に里沙ちゃんも…って、あれ?」

あーしのベットの上で動かない里沙ちゃん。
お祈りでもしてるみたいに、リボンで縛った両手が胸の上に乗っかっとる。
そこを凝視してみたら、腕で潰された低めの山が規則的に上下しておった。

下半身には脚が開かないように、パレオみたいに太ももに巻きつけられたバスタオル。
あのおかげでポッチは気持ちイイと思うんやけど…押し付けられるし…

…入れたまんまで寝ちゃったんかの?

「里沙ちゃん寝ちゃってるの?じゃ、入れたら怒られるかな?」
あさ美ちゃんの声に、あーしはこっちに顔を戻した。
今日はまだあんまりしてなかったのを思い出して、おもむろに目の前の唇にキスをする。
舌を吸ったらまだケーキの味が残っとった。

「平気やろ。そのつもり有ったんやから。それに自分で買ったんやし」
「里沙ちゃんもすっかりえっちになったぁねぇ〜」
「あさ美ちゃんもやろ?」
「んふふっ。全ての元凶は愛ちゃんだけどね」
「うっそやあ〜」
「だってお尻にまでローター入れてきたじゃん」
「感じてたやろぉがー」
こっちは仰向けでも大っきいままの胸。
会話しながらそれを両方とも軽く掴んでフルフル揺らす。

プリンや、プリン!
…ええなあ、この胸。あーしもこんくらいにならんかな?

「そっ!…だって……でも中に全部入っちゃうとあんまり感じないよ」
あーしに胸を揺らされながら、これは止める気も無さそうなあさ美ちゃんの返事。

「じゃ、こっちので試してみる?」
腰を動かしたら、あさ美ちゃんが詰まるような声を漏らした。
手で揺らすよりも大きく胸が揺れた。

「こ、こんなの無理だよぉ…とりあえずコレ抜いて?」
あーしの下であさ美ちゃんが腰だけを動かしてそれを示す。
あーしは身体を起こし、その部分を眺めながらゆっくりと抜き取った。

んクチュッ

抜けきる時にえっちな音がした。

ポッカリ口を開けてびちゃびちゃのそこ。
あーしがケーキよりも好きな匂いを『これでもか!』って発散しとる。
「きゃっ!…ヤ…ン…ぁ」
部屋の明かりでキラキラしとるそこに口を付けたら、こっちの口にもクリームの味が混ざっとった。
もう身体全体がケーキやね。ホントに白いクリームみたいの点いとるし。

「…ねぇ、愛ちゃん。指入れて?」
それを舌で拭っておったら、あさ美ちゃんに熱っぽい口調でせがまれた。
「ん…」
あーしは無言のままで周りを舐め続けながら、リクエストどおりに中指だけ入れる。
入り口はユルユルやったけど、根元まで挿し込んだらギュッて締め付けられた。

行き止まりのコリコリを軽く突付く。
「ぁ…」
ちっちゃく声を漏らしたあさ美ちゃん。
今度はヌルヌルウニョウニョする中を掻くように擦りながら、入り口近くのポイントまで抜いていく。
少しザラつく壁を擦ったら、「ひうっ」って言う変な声と共にあさ美ちゃんの腰が跳ね上がった。
あーしの顔に熱くってベチョベチョなのが当たった。

「やっぱりそっちのより愛ちゃんの指の方がいい」
あーしの膝を撫でながら、さっきよかウルウルした目そう言ってくれる。

「舌やないの?」
嬉しい発言に照れながら、苛めるみたいに返事を返す。
そして剥き出しにしたポッチに舌を強く押しつけて捏ねてみた。

「んっ…うっ…」
あさ美ちゃんは腰を捩りながら声を必死に堪えておる。
でももっと刺激を欲しがるように、
そしてあーしにそこを見せつけるかのように、自分で自分の両脚を抱え込んだ。
声を耐えてるからか、元々締まった腹筋が更に割れた。

上を向いた小さめのお尻。
えっちな液を零すあーしの指が入った穴。
その下の別の穴がヒクヒクしてる。
皺の奥のツルンとしてピンク色の粘膜が、顔を出したり隠れたり。
そこから生えたままのピンクのコード。

…悪戯しちゃお。

切っていたスイッチのダイヤルを限界までグリッと回した。

「ふあっ!…ひっ!…」
それを吐き出そうとするように、中の粘膜がめくれるみたいに”ムリッ”て顔を覗かせた。
前に入れたままの指にもローターの振動が伝わってくる。
別の手を唾液で濡らして出っ張った粘膜を突付いたら、
それがちょっとだけ奥に移動したのまで感じられた。

あ、戻って来た。

      ………

「…抜けんのぉ。コード引っ張ったら切れそうやし」
「えっ!?えっ!?出てこなかったらどうしよう…ねぇ、愛ちゃん…」
「この態勢が悪いんやない?トイレみたいにしゃがんでイキんでみて」
「ぅん……あっ!愛ちゃん。後ろに回んないでよぉ…」
「何で?」
「だって…その……だし…」
「あ、そっか。じゃ、はい!ティッシュ」

あーしの指でもっとベチョベチョになった前をそのままに、
渡されたティッシュをお尻側に持ってったあさ美ちゃん。
あーしから顔を見られないように俯いて、眉間に皺を寄せ始めた。
あーしの方は、倒れないように片方の手を握ってあげた。

イキむ度に握られた手に力が篭る。でもなかなか出ないみたい。
「んっ!………んん〜……出ないよぉ…」
チャレンジが失敗するたび、凄く不安そうにあーしを見るあさ美ちゃん。

「入り口刺激したら出るんやない?そこでタイミング合わせれば」
「そうだといいけどぉ……」
「じゃ、あーしが舐め「ヤダ!絶対ヤダ!」」
いつもは喜ぶくせにおもいっきり拒否された。

結局、舐めるとか舐めさせないとかすったもんだが有った挙句、
あーしが自分の唾液を付けた指を、あさ美ちゃんの前の方から回して刺激する事に落ちついた。

「んっ!……」
「あ!ちょっと出て来たよ。あ…」
指先に固い感触を感じた途端、また引っ込んだ。

「ふぅぅぅぅーーーー…あ、愛ちゃぁん…そんな撫でないでよぉ…」
「やって…刺激…」
「ムズムズしちゃって逆の力入っちゃうから…」
「なの?」
「なの!」
「気持ちいいんやろ?」
「…」
無言の沈黙で怒られた。

「…わーった」
しぶしぶ了承して、また唾液を付けるのに指を咥えた。
これと言って臭いしないもんやな。ちょっと甘いくらいやし…

「…んっ!…っ…………」
「あ、出そう!あと一息!頑張れ、あさ美ちゃん!」
絨毯に顔を擦り付けて、その部分を覗き込みながらエールを送る。

ぱっくり開いた前の部分。襞の間のお肉も盛り上がってヒクヒクしとる。
そこの真ん中が盛り上がったと思ったら、お尻のほうからローターのピンク色が顔を出した。

「もうちょっと!」
「ぅっ…んっ……」

あさ美ちゃんが詰まった声を漏らした次の瞬間、
あーしの手の中に、ほっかほっかのローターが生まれ落ちた。

メリークリスマ〜ス!

…イブやから早いか。その前に卵やし。大きさから言ったら繭やし。

「…ふぅ。よかったぁ……あっ!だめっ!」
おめでとうを言う前に、あーしの手からそれを奪い取ったあさ美ちゃんが背中を向けた。
逃げちゃった温度を確かめるように、手をグーパーしてみた。

数秒ゴソゴソやって振り向いた真っ赤な顔。
「あ、愛ちゃん…手…」
「ん?」
さっきまでのえっちな液と唾液しか付いてない手をかざしたら、
ホッとしたように身体もこっちを向けてくれた。

「今度はスル前に浣腸してみる?」
「……」
あーしの発言に無言で俯いたあさ美ちゃん。耳の先が真っ赤…

……そこまで行くとアブノーマル過ぎやの。

「み、見るとか言わない、なら…」
数秒後、蚊の鳴くような声が聞こえた。

「それはええよ、さすがに。……そこまで変態やないし」
…ガマンしてモジモジしてるあさ美ちゃんは見てみたいけど。
あれ?おしっこガマンしてるのと同じかな?
じゃ、いいや。しょっちゅう見とるし。

便器の座る部分に足を乗っけてしゃがむあさ美ちゃん。
強烈に恥ずかしそうに「見ないで」って言いながら手で隠すけど、
それは殆どポーズみたいなもん。
やって、おもいっきり指を広げてるから隙間から丸見えやし、
そもそもその手はお腹を隠してるようなもんやし…

……お漏らし見せ合ってるのも普通に考えらたら相当変態やな。
見るのも好きやけど、見られるのも癖になりかけとるし。

あの時の恥ずかしさが何とも言えん程興奮するし…
びちゃびちゃのままで弄られちゃうと気が狂っちゃいそうやし……

「へ、変な事考えてないよね?ニヤニヤしてるけど…」

自分が見られてる場合から、また逆に見てる場合の想像に戻ったら、
おどおどしたあさ美ちゃんの声が聞こえた。

      ………

「…なんか抜けないよ。これ」
「え?あら、ホントや。あさ美ちゃんのお尻みたいやの」
「それよりスイッチ入ったまんまだったよ」
「…寝てるんやなくて、気ぃ失ってるんやないの?巻いとったタオルこんなにビチョビチョやし」
「…このタオル…さっき愛ちゃんの下に敷いてたやつ」
「そやった?別なの入れた時、噴いてなかったっけ?里沙ちゃん」
「それはそっちのタオル」

反応のない里沙ちゃんを大また開きにして、刺さってるそれを引っ張ってみた。
周りのお肉は浮き上がるけど、吸盤になったみたいにビクともしないそれ。

「「あっ!」」

「…隙間から噴き出たね」
「…これで栓してあるってやつ?」
「…抜いたらどれだけ零れて来るんやろ」
「その前に抜けっ…ない…し…」

新しいタオルをお尻の下に捻じ込むあーしに代わって、
里沙ちゃんのあそこに引っ付いたそれをグイグイ引っ張っているあさ美ちゃん。
僅かに隙間が出来る毎に、そこからえっちな液が勢いよく吹き出てて来る。

…溜まってるだけでこんなに吹き出るもんなんかの?

「里沙ちゃん目ぇ覚まさんかな?じゃないとこっちの入れれんが」
「…乳首こんなにピンピンー。…摘んでも起きないね」
「こっち”強”にしたら起きるかな?」
「…動かないよ」

「「あ!動いた!!」」

まつ毛をぴくぴくさせながら、動かなかった里沙ちゃんが腰を捩り出した。
「のぉ、里沙ちゃん?聞こえる?おち○ちん入れるからこれ離して」
「…ぅ…ゃ……ま、たっ……ちっ…から……入っ」
唸るみたいに声を出した里沙ちゃん。

「………きも…過ぎっ!て!…奥…入っ!…ああん!!あっ!!!」
背中を反らして大きな声を出したと思ったら、数秒硬直してまたグッタリしちゃった。

「腰だけ動いてるね…」
「痙攣しとるね…」
「だいじょぶかな?」
「とりあえずスイッチは切っとこ」
「中、えっちな液でパンパンになったらどうなっちゃうんだろ?」
「零れるんやない?」
「栓されてるのに?」

「「……」」

二人して顔を見合わせた。

「だ、だいじょぶかな?」
「う〜ん…」
「もう一回引っ張ってみよ?」
あさ美ちゃんの提案に、今度は二人がかりで力一杯引っ張ってみた。

ジュッポン!!

大きな音を立ててようやく抜けた。
ボッカリ空いた穴から盛大にえっちな液が溢れ、
下に敷いた新しいタオルに水溜りが出来ていく…

「湯気も出てるで」
「こっちも湯気出てるよ、ほら。えっちな液もなんか精液みたい。ドロッてしてるし…」
あさ美ちゃんが持ったそれの出っ張り部分はビチョビチョなうえに、
白い寒天みたいなのが一杯くっついていた。

「はむ……『チュッ』味はいつもどおりだね」

里沙ちゃんのあそこを舐めてお掃除しようと顔を近づけたら、
隣からあさ美ちゃんのそんな感想。

そっちを見たら、あさ美ちゃんは里沙ちゃんの中で温まった女の子用バイブを両手で持って、
まるでソフトクリームみたいにその出っ張りの部分を舐めていた。
「ん?」
あーしの視線に気付いて、そのバイブを「舐める?」って言うかのように差し向けて来た。
「こっち有るから要らない」
遠慮したらまた普通にそれを舐め始めたあさ美ちゃん。

…ピンク色やし、なんか変形したリンゴ飴に見えてきた。

「あ、入れないの?」
「え?何を?」
「それ」
「あ、そやった。…ねぇ、里沙ちゃん?起きとる?入れていい?」
一応、同意は得んとな。
ペチペチと汗まみれのホッペを軽く叩いてみる。
それに反応して里沙ちゃんがちっちゃく唸った。

その前に新しいタオル敷いとかんと。
「私の出すよ。タオルでしょ?おいしょっと」
手にまだソフトクリームみたいにバイブを持ったままで、ベットからあさ美ちゃんが降りかける。

「わっ!…『ドタッ』痛〜…」
こたつの布団に引っかかって、スライディングみたいに顔から転んだあさ美ちゃん。
だけどバイブは落とさないようにしっかりと握られていた。

「大丈夫?あさ美ちゃん」
「うん。へーき。落とさなかったから汚れてないし」
心配したのはあさ美ちゃんの身体の方やったけど、敢えて突っ込みは入れなかった。

あーしも里沙ちゃんのを味見しようと、
まだトロトロとえっちな液を零してる開きっぱなしの穴に舌を挿し入れた。

「……」

水みたいにユル過ぎて殆ど味せんな。

あさ美ちゃん持ってた方、やっぱり舐めさせて貰うんやったなぁ…

転んでも離さなかったくらいやし……


        ◇◇◇


――2――

二学期も今日で終わって明日からは冬休み。ついでにクリスマスイブ。
『ついで』って言うよりも、こっちの方が大事なイベントや。

今はあーしの部屋やけど、ちょっと前までマコトの家でみんなでパーティーをしとった。
メンバーはのんつぁんとか、かーちゃんとかみうなとか、一人身の子ばっかり。
あの中で彼氏持ちはあさ美ちゃんだけ。あーしっていう彼女も持っとるけど。
おまけに第二婦人の里沙ちゃんまでおるしの。

あ、あとガキさんにくっついてきた亀と、もう一人も居たっけ。
どこかで聞いた事がある名前やったんやけど、すっかり忘れてもぉた。
日本人形みたいな顔立ちしとったのは覚えてるんやけど…
彼女にはガキさんも今日初めて会ったみたい。
でも名前聞いてちょっと考えてたと思うたら、いきなり驚いてたけど何やったんやろ?

『あさ美ちゃんはA君放っといていいの?』
って皆に突っ込まれてたけど、なんでもA君はケーキ売りのバイトなんやて。
こんな大事な日にバイト入れるなんて、あさ美ちゃんに対する愛情が足りん!
まあその替りに、このあいだの週末にクリスマスデートしたみたいやけど。
週明けにあさ美ちゃんとえっちした時に、かなりキスマーク点いとったし…

納得しながらも、やっぱりあさ美ちゃんの身体に点いたその跡に嫉妬する。
その跡を消すように、そこにあーしのキスマークを点け直して、
新たに他のとこにも強く一杯点けてやった。
勿論、あーししか知らないあさ美ちゃんの性感帯を攻めてあげたり、
気を失っちゃうくらいに気持ち良くしてあげた。

あ…イっちゃった回数は、あーしの方が多かったかも…
久々に二人っきりやったから燃え上がっちゃったし……

…思い出すだけでムズムズしてきた。

とにかく、えっちの上手さは断然あーしのほうが勝っとるもんね!
変態ちっくなのは、あーしとしか出来ないって言っとるし、
実は弄られるのが物凄く好きなお尻の穴も、A君には絶対にさせないって言っとるしの。

『クリスマスはA君と愛ちゃんと、どっちと一緒に居ようか悩んでたから丁度良かったかも』
なんてあさ美ちゃんは言っとったっけ。
あーしにとってはライバルの不戦勝って事で、
今日は有難くあさ美ちゃんを一晩中独り占めさせてもらう。
ん?里沙ちゃんも居るから独り占めじゃないのか?
だけど里沙ちゃんもいる方が嬉しいし、色々出来るから問題ないか。

ん〜…そういや亀……
……里沙ちゃんには言えんよなぁ…

でもキッカケ作っちゃったのはあさ美ちゃんやし…
それにしても里沙ちゃんの幼馴染だったなんてのぉ……

一応あれっきりやし…断っとるし……
さっきもこっそり頼まれたけど断ったし…
…あさ美ちゃんはちゃんと断れたんかの?

多分、帰り際にシュンってしとったから、あさ美ちゃんにも断られたんやろな。
でもちょっと可哀想かもなぁ……
携帯は知っとるし、あさ美ちゃんと相談して近いうちにシテあげようか…
『見ててくれるだけでもいいですから…』って言っとったもんなぁ……

しっかし、里沙ちゃんにしろ亀にしろ、何でこうも男に走らんかのぉ?
みうなも怪しいし、のんつぁんとマコトもベタベタしておったし…

あーしの周りってこんなのばっかりや。困ったもんだ。


      ………

はぁ…

「ん?なに?愛ちゃん」

周りが怪しそうな友人ばかりなのに呆れて溜息をついたら、
ドライヤーの音に紛れてあーしの髪を乾かしていたあさ美ちゃんの声。

「ん?や、別に?」
「ん、そう?」

あさ美ちゃんはそう言って、また楽しそうに鼻歌でジングルベルを歌い始める。
曲の途中で切れたのに、リピートしたみたいに頭から始まった。
その音を聞きながら髪をいじられて物凄く幸せ。
自分の背中越しに、ベットの上からあーしの髪を見ているあさ美ちゃんのお尻に腕を回した。

「のぉ、パジャマ脱がんの?せっかくあのパンツ履いとんのに」
「履いてるっていうか…殆ど布が無いんだけど。これ」
「前も殆ど紐やから、あそこも隠れんもんな。ぁっひゃ!」

自分があさ美ちゃんにあげた、あのえっちなパンツの形を思い浮かべて笑っちゃう。
その上下お揃いの下着は、ブラもアンダー部分にしか布が無くっておっぱいが丸出しになる物やった。

「笑い事じゃないよ〜こんなえっちなのなんて。それに似合うわけ無いじゃんかぁ」
「似合うって。さっきお風呂上りに言ったやんかー。それにサイズも合っとるやろ」
「ま…まあ、ブラはちょうどいい感じだけど…」
「やろ〜」

あーしはそう答え、おっぱい丸だしブラをつけたあさ美ちゃんを見ようと
首を思いっきり後ろに逸らした。

んむっ!…「ぁちっ!」

ドライヤーの熱風が近距離で顔に当たって慌てて元に戻る。
上もパジャマ着とったんやっけ…

「あはは。な〜にやってんの?愛ちゃん」
「やってぇ〜…」

仕方なく、替りに丸出しのお尻を直接触ろうとパジャマを摘んだけれど、
座る態勢を変えたあさ美ちゃんにあっさり逃げられた。
そしてその足先だけが、あーしの脇から生えて来た。

「そ、それにさぁ。下は食い込むし、どうやっても……」
「どうやっても?」
解りきったことを聞き返す。

「ポ、ポッチ…」
「擦れるやろ?もう濡れてたりして」
そう言ってズボンの裾を引っ張ろうとしたら、これまた逃げられた。

「だ、だーめっ!里沙ちゃんがお風呂から帰ってくるまで待ちましょう!
それにせっかっく買ってきたケーキも食べないといけないっしょ?」
「え〜〜?やっぱ擦れて濡れとるんや、あさ美ちゃん」
「じゃ、愛ちゃんはケーキ要らないの?」
「要る!」
「我慢した後はより美味しくなるしね」
「なんや、見て欲しいんやんか」
「嫌って誰も言ってないよ。んふふっ」
「濡れとる?」
「ひ・み・つ。んふっ」

あーしはあさ美ちゃんのそんな楽しそうな声を聞きながら、
また始まった鼻歌に合わせてニギニギしてる足を掴み、
それと手を握りあうように、甲側から人差し指から薬指までの指先を隙間に捻じ込んだ。

「くすぐったいよ。愛ちゃん」
「後でココしゃぶ『ひっ!』熱ちっ!」
お返しみたいに首筋をなぞって来たブラシの先から逃げたら、ドライヤーの口に耳が当たった。

「あ!ごめん。だいじょぶ?」
慌ててそう言って、あーしのそこを口に含んだあさ美ちゃん。

別の意味でもっと熱くなるよぉ…それ。

      ………

髪をいじられる気持ち良さにウトウトしておったら、何かに鼻をくすぐられた。
圧し掛かられた重さも感じて横を見たら、あーしの肩の上にはあさ美ちゃんの顔。
そしてその手には、編まれた髪の毛の先。

「三つ編みしちゃった」
「…あー…あーしの?これ。ありがとー」
お礼を言って、目の前の唇に軽くキス。
おんぶするみたいに、体の脇に有ったあさ美ちゃんの両太ももに腕を回す。

「あー…半分寝とった。気持ちよぅて」
「途中から話し止まっちゃったもんね」
「そういや、まだ里沙ちゃんお風呂から上がって来んの?」
「うん。でもそろそろじゃない?」
「でもよぉ…何で一緒に入らんのやろ?お風呂」
「無駄毛のお手入れ見られるのが恥かしいなんてねぇ」
「そんなの二人でやってあげんのにな」
「…二人掛りは…私もヤダな…」
早く戻ってこないかドアの方に目を向ける。
その途中にあった、包装紙を解かれて置いてある二つの箱に目が止まった。

「でもよぉ…里沙ちゃんのプレゼント……」
「通販なんだろうけど思い切ったよね。里沙ちゃん」
「片方はあーしも考えた事あったけど…」
「オ○ガなんとかって方でしょ?水色のス○イなんとかっていうの買ったトコに載ってたよね」
「そうそう!」
「使った体験談送ったの?かなりのヒットだよ。あれ」
「ん〜…でも、やっぱりあさ美ちゃんの指には負けとるし」

ベットと背中の隙間に入ってきたあさ美ちゃんの腕を取って、あーしのお腹の前で繋がせる。
それを拒否するように逃げた手が、あーしの手を甲側から指を絡めて握ってくれる。

「私も愛ちゃんの指の方が気持ち良くなれるよ」

そう耳元で囁かれて耳たぶを咥えられた。
繋いだ四つの手が、あーしのお腹の上に全て重ねられた。

「どんな風に見えるのか、あーしも気にはなってたけど…」
「見え方?あれ付けた時の?」
「そやのぉて…相手側の視点での光景って言うか……あさ美ちゃんは見たくない?」
「愛ちゃんとか里沙ちゃんのそういうのって想像したくないもん」
「とりあえずあーしはそんな事当分ありえんとは思うけど…」
「ずっとヤダぁ〜」
「はい、はい」
首筋に顔を埋めたあさ美ちゃんの頭をナデナデ。

あーしもあさ美ちゃんのそんな姿は想像したくないやざ。
でもキスマーク見ちゃうとさぁ…
やっぱり悔しいから想像しちゃうんやて。
どんな表情がどんな風に見えるんかな?トカ…

あーしの首筋を啄ばむ唇から逃げて、柔らかいホッペを甘噛みする。
ちっちゃく笑ってこっちを向いたあさ美ちゃんの唇を舌先で軽く舐めた。
そしてスグに繋がった深いキス。

口の中を優しく撫でるあさ美ちゃんの舌が気持ちイイ…
あーしも完全な恋人なんやけど……

薄く目を開けて、大きな方の里沙ちゃんからのプレゼントの箱を覗き見た。

――あれであさ美ちゃんどう見えるんやろ?ちょっとは楽になるかな?

今のままでも充分過ぎるほど幸せやけどな。
こうしたり身体を重ねるのも断然多いし勝ってるんやし。

あさ美ちゃんの口の中に舌を吸い込まれながら、あーしはまた目を瞑った。

『ガチャッ』

頭がポーってし始めたタイミングで、里沙ちゃんがお風呂から帰って来た。

「たっだいま〜〜。ふぃ〜…って!ズルーい!もぉ〜!」
おまけに、せっかくのウットリする雰囲気もぶち壊しの声。

薄く目を開けてちらりと見たら、服を放り出して里沙ちゃんが駆け寄り掛けておった。
そしてせっかくのキスを無理矢理引き剥がされた。
零しそうになったあさ美ちゃんの唾液を啜り上げる。

「あたしの分ちょうだいよぉ〜」
目を瞑って顔を突き出して来た里沙ちゃん。

「ヤダ!」「お風呂一緒に入ってくれないからあげない」
笑いながらも即答でつれない返事を返したあーしとあさ美ちゃん。
ナイスコンビやね。

目を開けて膨れた里沙ちゃんに、『ブチュ』って感じに無理矢理唇を奪われた。
数秒で離れた口が、今度はあさ美ちゃんの口を奪いに行った。
せっかく舌絡めようと口開けたのに…

「……」

「のぉ……ちょっとぉ…里沙ちゃん?…あさ美ちゃんも……長くない?それ…」

「……」

…舌絡め始めとるし。

…首抱えおったし。

「離れろ!こら!」

「やだ!」「愛ちゃん変態だからヤダ」
二人でそう言って、また深く唇を合わせおった。

キスを続けたまま薄く目を開けたあさ美ちゃんが、あーしを見て目だけで笑いおった。


「こら〜〜!!」

        
あさ美ちゃんと里沙ちゃんのキスを、
強引に二人の間に身体を捻じ込んでなんとか剥がす。

ケーキ食べるんやろ?とか、里沙ちゃん髪乾かせ。とか言いながら、
二人が座ってる隙間に無理矢理お尻を捻じ込んで腰を下ろす。
そして、里沙ちゃんが首に掛けてたバスタオルを頭から被せ、
ワシャワシャと拭きながらあさ美ちゃんの方に顔だけ向ける。

里沙ちゃんよりもあさ美ちゃんの方がキツく首抱いてたやろ…
さっきまであんなにラブラブやったのに……

ちょっとだけ非難の表情をしたら、
お詫びみたいに軽いけど舌付きのキスをくれた。

許す。

すっかりポーってなって、虚ろなままの里沙ちゃん。
あさ美ちゃんの方は、顔を赤らめつつも濡れた唇を舐めながら
「はい、交代。私、里沙ちゃんの髪乾かすから、その間キスしてていいよ」
なんて言って一人ベットの上に乗っかった。

「ほら、里沙ちゃん待ってるよ?ど〜ぞっ」
ドライヤーを手にしながら、あーしの頭をぽんぽんするあさ美ちゃん。

「あ…うん」
そう言われて素直にそれに従う。
軽く開いたままの里沙ちゃんの口をあーしの口で塞いだ。
すぐ舌が入って来た。

「気をつけてね」
あさ美ちゃんのその言葉に『何が?』と思いながら、里沙ちゃんの舌にごあいさ…

…ん?…ぁ…

ふぁ…ぁ…

……なんか…今日……上手い………ものすごく……あさ美ちゃん並や…

「ん…」

あーしは無意識に里沙ちゃんの胸に自分の胸を押しつけ、
その首を抱えるように腕を回した。

「むぢっ!!」
びっくりして涎を零しながらキスを解いた。

「だから『気をつけて』って言ったっしょ?」

…その角度じゃ里沙ちゃんの髪に風あててないやろ。

         ………

あさ美ちゃんのドライヤー攻撃も時折受けながら、
あさ美ちゃんがシテたのより遥かに長く、また里沙ちゃんとキスの続きをした。

次第に攻撃が激しくなっていくあさ美ちゃん。
終にはあーしの首に近距離でドライヤーを当てられて、そこでキスを止めた。

「長い!」
「そぉ?」

あーしの返しに唇を尖らせたあさ美ちゃん。
首を伸ばしてさっきしてくれたのと同じキスを返してやった。
すぐにニッコリしてくれた。

それから、時々軽いキスを交わしながら二人掛りで里沙ちゃんの髪を即効で乾かして、
やっとケーキにあり付ける時間がやって来た。

マコトの家でも食べたけど、こっちはもうちょっと値段の張る物。
だからかなり楽しみにしてたんや。
明日の体重計はかなり怖いけど、今は無理矢理忘れてまえ。

けど、さっきのキスの感触は忘れられん…ヨカッタぁ……

感触を噛み締めるように口に手を当てとったら、また睨まれた。
…あさ美ちゃんもシタやんか。
里沙ちゃんはあーしらの微妙な雰囲気にキョトンってしてた。

無意識って怖いやな…
あさ美ちゃん並に上手くって、でも攻め方違うからドキドキしてもぉた…
…いきなり濡れちゃったし……
……乳首も勃っちゃったみたいでジンジンしとる……

「はぁ…」
………あ。

二人の視線に、舌先を撫でとった指を慌てて引っ込めた。

「せ〜のっ!オープ〜〜ン」

「やったあー!」
「キャ〜素敵っ!」
「フォーー!…待てぇーい!まずは周りのセロハン剥がすから!」

コタツの上に登場した三種類の小振りのホールに、個性的な三者三様の第一声とリアクション。
にしても、里沙ちゃんてばケーキ奉行かよ。歌舞伎とかの見栄みたいポーズ取っとるし。

ホッペを抑えて可愛く肩を竦めたあさ美ちゃんが、
次の瞬間、里沙ちゃんのアクションを見て目を丸くした。

「テロテロテローん」何て言いながら、嬉しそうにセロハンを剥がしてく里沙ちゃん。
さっきの里沙ちゃんのポーズが意外にツボやったらしいあさ美ちゃんは、まだ涙流して笑っとる。
あんまり苦しそうやから、背中をさすってあげた。

どれにしようか迷うけど、まずはやっぱり苺の乗った薄ピンクのからやろね。
反対の手にフォークを持って準備完了!

「里沙ちゃ〜ん。ほれ切って〜」
向い側に座っとる里沙ちゃんに甘え声で頼んでみた。

「ヨッ!…これ?…チョッ!…こっち?ハッ!…ど〜れ?指差してよ、愛ちゃん」
「んグぷっ!」
「愛ちゃんは苺のじゃないの?やっぱり」

セロハンを剥がす時に崩れたチョコクリームのケーキの縁。
そこを真剣な目でナイフの先で突付くみたいに修繕してる里沙ちゃんの方を見ないまま、
やっと笑いが収まってきたあさ美ちゃんがハァハァ言いながら正解を言ってくれた。

――里沙ちゃんのほうを見ないのは多分正解やとおもう。

あーし、調度口をつけた紅茶、鼻と口両方から噴き出しそうになったもん。
フォークを持ったままでカップを持ったから、それまで落としそうになったし。

この里沙ちゃんのポーズ見たら、あさ美ちゃん笑い死にしそうやもんな。
顔を背けて必死に笑いを堪えながら、またチラリと覗き見た。

「んっ!っ…ひゃ!ぷ」
鼻水出そうになって、口を押さえて横を向いた。

フェンシングかよ!背筋伸ばし過ぎ!片膝まで立てんなよ、おまえ!

あーしの様子に涙を拭きながら里沙ちゃんのほうを見ちゃったあさ美ちゃん。
「ひっ!」って音を出して、こたつの脇に崩れ落ちた。


「勝ったっ!…って、あれ?何?二人とも…」

あさ美ちゃん死なんでの。あーしは死にそうやけど……

あさ美ちゃんよりもダメージが大きかったあーしを置いて、作業が再開された。

「ひとつは切らないでフォークで直接行かない?」
「あ!あさ美ちゃん。いいねぇ〜、それ」
「残すのどれにしよっかねぇ?」
「このフルーツ山盛りのは綺麗に食べない?」
「そだね。じゃさ、チョコとこれ切ろうか。…あ!イイ事思いついちゃったー」
「なに?あさ美ちゃん」

「……」
攣っちゃった腹筋を押さえながら、やっとの思いで起き上がる。
あーしは無視かい…『苺の』ってあーし言ぅたのに。
そっちの中どうなってんのか、はよぉ見たいのに。

くそぉ〜…

交互に相手の耳を手で覆って、何かひそひそ話までしとるし…
あーしの方をチラチラ見てクスクス笑っとるし……

「いちごーー!」

そう叫んで、あさ美ちゃんの目の前のケーキに乗ってる苺にフォークを突き立てた。
でも腕を戻す途中で里沙ちゃんの手にガッチリと捕まった。

「愛ちゃぁ〜ん?」
あーしのこの行動を予測してたように、上目遣いでニヤリとした里沙ちゃん。
そしてあーしのフォークから苺を救出したあさ美ちゃんが、それをしっかりと元に戻す。

「苺のぉ…」
「苺のでしょ?愛ちゃんの分はちゃんと切り分けるから」
「大きい残りからもフォークで直接食べていいから。私の分の苺もあげるし」
「そうそう!何ならあたしの分も一個あげるから」
「…わーった」

しぶしぶ納得。

「まあ、ある意味、このケーキは全部愛ちゃんのになる予定だけどね」
「んふふっ。そだねぇ」
「何や?それ。あーし一人占めなんてせんって」

「んふふっ」「むふふっ」
顔を寄せてあーしを覗き見るように笑う二人。

何か怖いんやけど、その笑い。
あーしをでぶにする気かぁ?

「よっ!とっ!はっ!」って一々掛声を出しながら、
里沙ちゃんが一つ目のケーキの半分を三等分した。
もう半分を切るかと思ぉたら、ナイフを持ったままキョロキョロ。

「何やっとんの?」
「ぅえ?だってこっちのクリーム付いちゃうじゃん」
「もう半分は切らんの?」
「いいの」
「ふ〜ん…」
「何か拭くの無い?これでいいか」
「指で拭いてまえ」

フォークでこそぎ落とそうとする里沙ちゃんに提案してみた。

「うっわ!愛ちゃんテキトー。でも手洗ったからそれでもいっか」
「その指はこっちが舐め取る準備万端やし」

そう言って口を中途半端に開けて里沙ちゃんの作業を見ている人を指差すあーし。

「え?」

あーしの方を見て恥かしそうに笑った顔が里沙ちゃんの方に向き直り、
今度はハッキリと口を開けた。

「あ〜、はいはい」

―はむっ

「ん〜〜ほいひ」
「次、舐める〜」

あーしもコタツ台の上に身を乗り出して口を開ける。

「付いちゃう付いちゃう」

そう言いながら、横からあーしのパジャマの胸を抑えてくれたあさ美ちゃん。
その手に乗っかるようにしてもっと身を乗り出した。
さっきとは反対側の刃の面を拭った人さし指が、すぐにあーしの口の中に挿し込まれた。

「あ、愛ちゃん。こっちの指にも付いてる」
帰りかけた手がまた戻って来た。
返事もせんと、あーしはその指を咥えた。

「……」
「ちょっとぉ…離してよぉ……」

やって、まだ味あるんやもん。

     ………

自分のケーキをちっちゃく削って口に運ぶあさ美ちゃん。
その一口毎に「ん!ん!」って唸っとる。

片や大きな塊を豪快に口の中に押し込んでいる里沙ちゃん。
口の脇に付いたクリームを指で拭いつつ、頬袋に詰まったケーキを咀嚼してる。

多分。というか確実に、その中間の大きさのケーキ片を口に運びながら
そんな二人の姿を眺めるあーし。

食べ方は大違いやけど、どっちも美味しそうで幸せそうや。
見てるだけでホンワカしてくんのぉ。

「愛ちゃん、そっちのどぉ?」
「…んまいで。あぃ!」
キラキラした目で感想を聞いてきたあさ美ちゃんに、
あーしは口の中を空にして、切ったケーキ片を刺したフォークを差し出した。

―はぁ、む

鼻を膨らませながら、それを一口で口の中に収めたあさ美ちゃん。
手で口元を隠しながら天井を向いた。

…里沙ちゃんサイズやったの。

その口から抜いた、たっぷりクリームの残ったフォークを舐めながらちょっと反省。
でも面白いからもう一口、あさ美ちゃんに向けて差し出した。

片手で『待って』のジェスチャー。
そのままでモゴモゴ言いながら、自分のケーキを指差しとる。

「これ食べて貰わんと、そっちの貰えん」
「むぉふふぃ…もふぁもふぃ…」

美味しい?まだ無理?とりあえずそんな事言っとるみたいやの。

あーしは笑いながら、そのフォークを里沙ちゃんの方に方向転換。
こっちにはあっさり収まってあっさり処理された。

ん〜こっちもええね。

里沙ちゃんから貰ったフルーツ山盛りのケーキ。
ん…このブルーベリーはちょと酸っぱいのぉ。
舌でみつけたラズベリーらしき感触を退けながら、他の部分を飲み下す。

ちょっとだけフニャッとする舌触りが乳首に似てるなーなんて思いながら、
それを口の中で転がしてたら、ふと思った。

――三人で別の種類から食べ始めたのはいいとして、
何で苺のだけ一切れしか切らんかったんやろ。

…要らんのやろか?美味いのに…
…でも里沙ちゃんに回した皿は空やし、美味いって即効で食べちゃったし……

「のぉ…」
「ん?」
紅茶のカップに口をつけとる里沙ちゃんに聞く。

「苺の美味かったのぉ」
「だね!シンプルだけど、この中で一番かも」
「うん!全部美味しいけど私もそれ好き。上の苺は要らないけど」

里沙ちゃんから回ったフルーツのケーキをまだ削りながら、
あさ美ちゃんもそんな感想を言う。

「おかわりするなら切るよ?愛ちゃん」
「まだチョコのこれ途中やし…そやのぉて、二人の分、何で切らんの?」
「だって…ねぇ?」
「んふふっ…ねぇ?」

またさっきと同じ反応。何や一体。

「やから〜…二人とも食べね!」
「食べるって〜」
「美味しいもん。絶対食べるよお〜」

…他のは切っとるやんか。

最後のちっちゃな欠片を口に運ぶあさ美ちゃんを眺めながら考える。

……ぅ〜…

「ん、零すといけないから飲んじゃえ」って言って、
カップをグイとあおる里沙ちゃんを見て考える。

……零すといけない……

――なるほど!美味いから、この苺のやけ大き目のままで豪快に食べるんや!

――戦いになると中身入っとるカップ邪魔になるもんな。

そう解釈したあーしは、戦闘体制に入ろうと自分のティーカップも急いで空にした。
そして逆手にフォークを持ち直す。

いっつ・ぱーふぇくと!

「じゃあ、行くかあーー」

あさ美ちゃんには勝てるやろ。ライバルは里沙ちゃんや。
まずは苺を片っ端から食べてまえ!里沙ちゃん泣くかもな。
なんて、攻め方を考えながら掛け声をかける。

「あさ美ちゃん、行ける?」
「うん!いいよぉ〜」
「よぉし!戦「じゃ、愛ちゃん、そっちのケーキ持って」…へ?」

その二人の了承に、里沙ちゃんの目の前の苺に狙いを定めて
『戦闘開始!』って言おうとした瞬間、意外な言葉が被さって来た。

そして、フォークを持ったまま唖然とするあーしを残して、
あさ美ちゃんと里沙ちゃんがテーブルの上を片し始める。

「机借りるね」
「…愛ちゃん、何やってんの。テーブルの上片すんだから。あ、あさ美ちゃんありがとー」
「あ、私のカップ入ったまんま」
「おっけー!」

…何やの?

おまけにコタツまでズリズリ引っ張っとるし…
ファンヒーター点いとるけど寒いやんか……
あ、設定温度上げとる…

「愛ちゃん、そこ邪魔!」
「あ、おぉ…」
「タオルどっちに敷こうか?里沙ちゃん」
「こっちの方が広いし動きやすいんじゃないかな?」
「じゃ、こっちね。愛ちゃん、ちょっとそこ退けて」
「ん…」

言われたままにウロウロするあーし…

里沙ちゃんが部屋の隅にコタツを退けて出来たスペースに、
あさ美ちゃんがバスタオルを敷く。

……まさか。

「…ケーキでパイ投げすんの?…あーしの部屋やからってそんな…」
「そんな勿体無いことしないよぉー」
あーしの言葉に被せるようにあさ美ちゃん。

不正解でちょっと安心。

「じゃ、スルの?」

【バスタオル×敷く=激し目のえっち】

まだケーキ食べ足りんのに。って思いながら、
今度は頻繁に出てくるその公式を使ってみた。

「えっち?ん〜〜…まだケーキ食べる方かな」

そう言いながら、あーしのパジャマのボタンを外しに掛かってるあさ美ちゃん。
その向こうでは、ちょと恥ずかしそうに里沙ちゃんもパジャマを脱ぎ始めておった。

…そんなややこしい公式なんて知らん。

そして成すがままに下着姿にされたあーし……

ちょっと離れてあーしの全身を見ながら、
やたら嬉しそうに感想を言っとるあさ美ちゃん。

スケスケ?ケーキ?記念撮影?苺?ご、ご、ご……

まだイマイチよく解らなくって、
恥ずかしそうに自分のパジャマのボタンに手をかけたあさ美ちゃんに、もう一度聞いた。

「何で下着んなってケーキ食べんの?それともやっぱりスルん?ええけども…」
「ん?ん〜〜……両方一緒かも」
「何やそれ」
「だって、愛ちゃんケーキ作るんだもん」
「…は?」
「女体盛りって言うんだっけ?あれ」
「ふ〜ん…にょたいもり……」


――何やったっけ?それ…


ニコニコしとるあさ美ちゃんの顔の向こうに、
あーしと御揃いのスケスケ下着を着けた、里沙ちゃんの物凄く恥ずかしそうな顔。
股間を抑えてモジモジしとる…

そういやこの下着…
先月剃って伸び始めとる里沙ちゃんのあそこの毛、チクチク出てまうんでないかのぉ……


―で、にょたいも…

突然ある映像が、頭の中に『ポン』って浮かんだ。


「あ゛〜〜?!」


叫んだ瞬間、あーしは手に持っとったフォークを落としてた。
ついでにずっと口の中で転がしてたラズベリーも飛んで行った。

水着の女の人が、お腹の上にお刺身を乗せてるどこかの温泉CM。
こっち向きに寝そべったその外人さんが「カモ〜ン!」って呼んだ。


―――あれすんのぉ??


          ◇◇◇

――3――

ビジュアルも然る事ながら、お刺身を乗せられる感触が気持ち悪そうや…
それにせっかくお風呂入ったのに生臭くなってまうで。

ぅえ゛〜〜…

「ワカメのカツラ被ってコンブ腰に巻いて、お刺身からだの上に乗っけんのぉ〜?
それに、イカとかタコって吸盤あるで?吸盤!
せめてタマゴとかカッパくらいにして欲しいんやけど…」

これからされるであろう事を断りたくってそう言いながら、
他にどんな具材があるか、頭の中で回転寿司のレールを高速で回す。

お稲荷さんにカンピョウ巻き、カニの入ったお味噌汁。
ウニは食べれんし気持ち悪いから絶対嫌や。
他は、プリン、ゼリー、メロン、パフェ……

「何言ってんの?タマゴとかカッパって…」
「…やってお寿司のネタにあっで」
「お寿司じゃないし、そもそもお刺身なんて乗せないよ?」

パジャマの一番下のボタンを外しながら、あさ美ちゃんの返事。

「やって…回転寿司でパフェとか流れてくる…」
「あ、それは合ってるかもね」
「やろ〜?やからタマゴ…」
「だから愛ちゃんをケーキにするんだってば。クリーム塗って苺並べて」

…やって、にょたいもり……カモーン!て…

「は?」

あさ美ちゃんの顔を見ながら固まった。

…クリーム塗って苺並べて…って…

そうなると……

なんか閉まったり閉じたりしとる唇にあーしの目が固定。


―――ぜ、全身舐められるっ!……たぶん物凄くしつっこく…


そこに考えたたどり着いた途端、いきなり顔が熱ぅなる。
その熱がジワジワと首から肩、胸へと降りながら広がって…
心の準備が無かった反動なんか、そのスピードがかなり速いんやけど…

そんなあーしを他所に、
「は、恥ずかしいな…やっぱり…」
なんて、パジャマの前を掻き抱きながら、上目遣いでモジモジしとるあさ美ちゃん。

「あ、あんまりジッって見ないでね」

そう言ってそこを開かれた途端、今度は熱が一気に逆流して頭が熱ぅなった。

胸の間に淡い色合いの小さな水色のリボンが着いた白の下着。
でもアンダーとサイドに僅かに布があるだけで、肝心の部分は丸出しのそれ。

寄せられて綺麗な形の大きな胸。
白い柔らかそうな肌。
あーしが一杯舐めとるのに、まだまだ綺麗なままの桃色の乳首。

…お風呂上がりにちょっと見たけども。
…こうやって部屋の中で見ると……凄く似合っとるけども…

――なんかマトモに見られんで、これ。

あーしの方が照れちゃって目線を逸らす。

「し、下……んっ!」

続いて、ズボンのゴムを掴んで僅かに躊躇したあさ美ちゃん。
目をギュッって瞑って、一気にそれを下ろした。

それを横目で見ただけで、あーしの目はチカチカしおった。

上下お揃いやから、こっちにも同じリボンに同じ色。
当然、布の部分は殆ど無くて、前の部分は完全に丸見え。
黒い毛の上の方だけに、ちょっとだけ白のレースが飾ってあるだけで、
もう殆どノーパンって言ってええくらい。

おまけに、あそこに深く食い込んでポッチを左側にハミ出させとる紐は、
ぷっくりとしたそこの形をも強調させておった。


――ダメ!こんなの見せちゃダメ!裸より興奮する!!もぅ死にそう!!!


そう感じたあーしは、おもわずその身体を力一杯抱き締めちゃった。
でもって、独り占めしたくって、里沙ちゃんから隠すように回転した。

「うわ!あさ美ちゃん、それ着けたの!?」

…み、見たなー?お前。
あさ美ちゃんを抱えたままで、その里沙ちゃんの声に首だけ振り向きかける。

「えへへ…かなり恥ずかしいけど、せっかく貰ったんだしね。それに可愛いかったから」
あーしの後ろ首から照れとるみたいな声。

「里沙ちゃんは見んな!あーしの!コっ…レ?」
言葉を最後まできちんと言い切れんかった。

「里沙ちゃんもそれ似合ってるよ。カワイイ〜。よかったぁ」
「そ、そうかな?で、でも、これも十分恥ずかしいよぉ…」
胸を控えめに隠しながら照れておる里沙ちゃん。


――こっちも凄い。なんや?それ。

こっちはあさ美ちゃんが里沙ちゃんにあげた物。
上下とも白をベースに黒のレースで縁取りが付いとって、
ワンポイントみたいに紐の部分がピンクになっとって…
でもって、その白の部分はおもいっきり透けとって……カワイイんやけど…

そっちも見るのが恥ずかしゅうなって、あーしは顔を元に戻した。

「愛ちゃん。そろそろ記念撮影してケーキにならない?」
完全にドギマギしとるあーしの肩の上からあさ美ちゃんの声。

…そ、そうやった。
そやけど、あさ美ちゃんも里沙ちゃんもマトモに見れんが…
裸の方がよっぽどマシや…

「はい!抱き合うのは後で一杯出来るから」
あーしの顔の方に回ってきた里沙ちゃんが、デジカメのシャッターを押す。

「ま、眩しいやんか…」
そう文句を言いながら、しぶしぶあさ美ちゃんを開放。
あさ美ちゃんも見れんから、目の前の里沙ちゃんの首から上だけに視線を持って行った。

そこで、口を開け、顔をいきなり真っ赤にした里沙ちゃんと目が合うた。
今の今まで動いとったのに固まっとるし…

「ん?どした?」
「えっ!?い、いや…さ、さっさと写真とっちゃおっ!ツリーの前ね」

また動いた。と思ったら、そそくさとそっちに行っちゃった。

…何や?今の。
…下着姿を見んで済んだからええけども。

「はい、愛ちゃん!早くっ!」
「あ、うん…」

あさ美ちゃんに手を引っ張られ、
あーしも二人から目線を外したままで、ノロノロとそっちに移動した。

ファインダー越しやと、かろうじて二人の姿を見ることが出来る。
やけど直接はやっぱりダメ。本人をちゃんと見ないままにカメラを手渡す。
そうやって、三人で顔を寄せ合ったり一人一人セクシーポーズをしてみたりして
暫くデジカメ撮影が続いた。

あさ美ちゃんは殆ど裸やから、見るのも慣れてきたかも…
やけど、里沙ちゃんはまだちゃんと見れん…

「愛ちゃん、ツリーに絡まってみて?」
「こ、こぉ?」
「次はこっちにお尻向けて突き出して。そう!それで振り返る!」
「…こ、こんな感じ?」
「指咥えてみよ〜〜!で、目で私を誘って?」

…さっきのカモーンやの。

「…ぅ、うあ゛〜!…あーしこんなポーズ出来んって!」

あさ美ちゃんのカメラに向けて一瞬ポーズをとってみたものの、
痒くなってまう内ももをガニマタで摩りながら里沙ちゃんの方へ逃げた。

「あー!逃げたあーー」
「あっ!愛ちゃん!ちょっ…」

顔の前でバッテンを作るみたいにして横を向いた里沙ちゃん。
…顔だけしか見れんのやから、そんな風に逃げんでよ。

「じゃ、次あーし撮る!ツリーの前で抱き合って!」
あさ美ちゃんからカメラを奪ってそっちを向いた。

膝立ちで抱き合ってホッペをくっつけているものの、
里沙ちゃんの目は反対の方を向いたまま。

「里沙ちゃん。こっち向け!」
「ん…」
チラッとだけ向いた目が、またスグに他所を向く。

「何やの…里沙ちゃん、さっきから」

あーしの不機嫌そうなその声に、あさ美ちゃんが笑った。

「愛ちゃん。里沙ちゃん多分恥ずかしいんだよ。私も恥ずかしいケド」
「何が?」
「見るのが」

あーしだって里沙ちゃん見るの、物凄く恥ずかしい。
やけどこうやって頑張っておんのに…

無言で膨れておったら、あさ美ちゃんが部屋の隅の方を指差した。

「何?」
「それ。鏡見てみて」
「ん?…ぅあ゛っ!!」

すっかり忘れとった。
あーしも里沙ちゃんとお揃いの下着つけてたんやっけ…

――我ながら

――見れんわ、こんなの。

慌てて鏡から顔を背けて、胸とあそこを隠すあーし。

「可愛いと思ってプレゼントに選んだけど、着けるとやっぱり物凄くえっちだねぇ。
透けて見えちゃってる分、こっちのよりも凄いかも。我ながら大胆だねぇ」

そう言った赤い顔のあさ美ちゃんが、満面の笑みで微笑んだ。

「試着した時、私も自分で見れなかったもん」

…試着したんだ。これ。

そのあさ美ちゃんの姿を想像しかけて、慌てて止める。

あさ美ちゃんの方を向いた里沙ちゃんも、慌てたように顔を下に向けた。
目だけが一瞬あーしの方を見た。

……里沙ちゃんも今想像したよな。

      ………

「じゃ、そろそろ待望の女体盛りに行こうか、愛ちゃん」

あーしは待望やないけども。なんて思いながら、
あさ美ちゃんの指示に素直にバスタオルの上に膝を着いた。

そこで目に入った里沙ちゃんの下半身。

「あれ?あーしのって、里沙ちゃんのとちょっとデザイン違う?」
「え?同じだよ?」
「やって…下…」

胸を隠しとる里沙ちゃんのパンツを、もう一度よく観察。
あーしの程えっちに見えん…

「あ…ち、チクチク出ちゃったから…」
「あ、また全部剃っちゃったの?せっかく伸ばしてたのに」
「それにどうしても痒くなっちゃって…」

なんや、剃ったんか。
ツルツルにするとカッコ悪いけど、このパンツやったらその方がええかもな。
ついでに舐め易ぅなるしの。

「あ、愛ちゃん。出来たらうつ伏せの方がいいな」
「ん、わぁーった」
「えーー!?おっぱいに苺乗せられないよぉ〜、それ」

あさ美ちゃんの悲しそうな声を聞きながら、
あーしはさっさとうつ伏せに寝転んだ。

…里沙ちゃんの下着姿も見んで済むし、お腹やとくすぐったいもんな。



クリームを塗り付けられた瞬間、おもいっきり後悔した。


あーし…背中めっちゃ弱かったんやっけ……

      ………

…ぁ…ひっ!…ふぃぃぃ…「ひにゃっ!」

背中にフォークが当たった瞬間、
ヒヤッとする金属の感覚に全身に鳥肌が立った。
おまけにクリームを薄く伸ばす為になのか、
触れたり触れなかったりの微妙なタッチは、まるで爪の先で撫でられたみたい…
思わず声が出た。

「愛ちゃん、そんなに動かないでよ、もお」
「力抜いてくれないと上手く塗れないよぉ」
「や、やってぇ〜…ひ!むっ!」
「こら!愛ちゃん、動くな!」ペチッ!

顎の下に敷いた腕に口を押さえつけ、また出かかった声を押し殺す。
それと同時に里沙ちゃんにお尻叩かれた。

…こんなんやったら、仰向けで目瞑る方がヨカッタ…
や、やけど、この下着姿見られんのも恥ずかし過ぎやし……

「イマイチ綺麗に伸びないね」
「そおだねぇ、なんかマダラになっちゃうねえ」
「の、のぉ…やっぱ、ひっ!は、裸になって仰向けになってダ、ひゃっ!」

フォークの先で擦られて、今度は大きく身体が捩れる。

――そんな部分でなんて伸ばせんってー…

漏れそうになる声を必死に堪え、足をバタつかせて無言の抗議。

「あ!付いちゃった」
「ほら〜、愛ちゃん動くから、ブラにクリーム付いちゃったじゃんかあーー」
「や、やかっ!…らっ……脱いであ、オッ!っ…む、向け…」
「名前書こうか」
「あー…い……あ、線切れた」

背骨の窪みをチョコチョコと突付くみたいに引っ掻かれて、
横向きの海老みたいに身体を捩ってまうあーし…

「や、止みょっ!……」
そんな必死の訴えなんて耳に届いてない風に、嬉々としてクリームを塗りたくる二人…

「あ、あさ美ちゃん。その辺塗って」
「まだクリーム削れる?」
「スポンジも削れちゃうけどね」

…ひっ!…ぅはっん!…ぅゆぅぅぅぅ……「ふぁっ!」……

「このへんに苺乗せようか」
「背中の窪みに並べない?」
「おー!あさ美ちゃん頭いいね」
「お尻はどうしようか?」
「クリーム足りなそうだしねぇ…」
「愛ちゃんお尻おっきいしねぇ…」

…あ、あかんって!そんな腰の辺ま、「ふみゃっ!」

勝手に捩れちゃう体。
それに対抗するように撫で付けて来るフォーク。
…お、お尻まで撫でんでええから……

――こんなんで「動くな」なんて無理!

どうにも苦しくなって、あーしは二人の拷問から逃げるように起き上がりかけた。
けど…
太ももの上に素早く乗っかってきたあさ美ちゃんに、あっさり固定された。
おまけに抵抗しようと腰の方に伸ばした両腕も掴まれた。

「里沙ちゃん。愛ちゃんの手、縛っちゃって。あ、リボンがいいね」
「あ、おっけー!」

―――あさ美ちゃんの鬼っ!悪魔っ!

「これで心置きなく舐めれるね」
あまりにも嬉しそうな悪魔の声。

そっちの気は無い筈の里沙ちゃんに、懇願するように目を向ける。
だけどこっちも悪魔に変身しとった。

「じっくり舐めるからね」
ねぶるような目でそう言われ、流石に観念するしかないみたいやった。

――もう、どうにでもして…

あーしは無言のままで、迫り来る恐怖に身悶えした。
乳首もあそこもムズムズしちゃって堪らんかった。

     ………

腰側からネットリと舐め上がってくるあさ美ちゃんの舌と、
啄ばむみたいに舐めながら、逆に下がって行く里沙ちゃんの舌。

敏感な背中を撫でつけるその感触は、触れられる部分だけじゃなく、
背骨に集まって来ては、そこを伝って全身へたまらない快感を広げて行く。
時折、背骨の窪みに沿って舐められる度、腰と胸に電流みたいに熱の塊を送り込む。

縛られ押さえつけられて自由にならない身体に、声を出せない苦しさ。
それらも快感と興奮に輪を掛けてくれて、
ものの数分であーしのあそこには湿っぽい感覚が広がり始めておった。

やけどやっぱり物足りない。
自分から身体を捩らせ、絨毯に乳首を擦り付ける。

「くっ!…はっ!…」

ピリピリする嬉しい感覚。

――もっと…

それを続けたままで、今度は太ももを擦り合わせてポッチを刺激しようと脚に力を入れてみる。
やけど、あさ美ちゃんに抑え付けられて全く動かなかった。

――ヤダよぉ…

乳首が刺激されているせいで、強くヒクついてまうあそこ…

――もっと強いの頂戴ってばぁ……

絨毯に胸を押し付け、勃っている乳首を潰しながら、
あそこに刺激をもらえないあまりの苦しさに、あーしは泣きそうになった。

「ひぃっ!…ダ、メっ!」
突然わき腹をフォークの先で擦って来たあさ美ちゃん。
その感覚に、大きく腰が捩れてお尻に力が入った。

あそこにジワッとした感覚。
…こんなになっとんのに……

「叔母さん達に聞こえちゃうよ?」
その忠告に慌てて口を塞ぐ。

「…んむっ……はんっ!!…ムグッ…」
反対側のわき腹にも同じ感触を感じて、また大きな声が出た。

「はい!愛ちゃん。苺」
「…」
何事も無かったように、あーしの口に苺を運んできた里沙ちゃん。
それを仕方なく口に含みながら、『もうダメ』という風に、懸命に首を振る。

――早く一思いに…強い快感で楽にして…お願いやから…

――もうこの苺、口じゃなくってあそこに入れちゃって……

「あさ美ちゃん。愛ちゃんギブアップみたい」
「もぉ?でも、だいたい舐め終わったからいいか」
その声と共に、毟り取りたかったブラのホックが外され、太ももに乗ってた重みが消える。
無造作に転がされて、天井の電灯に目が眩んだ。

「あ…」
改めて目が合った里沙ちゃん。いきなり赤くなりおった。
外れ掛けてはいるものの、自分の下着姿を思い出して恥ずかしくなる。
背中を攻められ、自分で乳首を刺激して興奮はしていたものの、
おもわずその目から顔を背けた。

「あ…愛ちゃん」
熱っぽい里沙ちゃんの声。
そしてちょっと冷たい手で包まれた左側のほっぺ。

その手がゆっくりとあーしの顔を戻して…

真上にあった筈の部屋の電灯は、もうそこには見えなかった。
代わりにケーキの匂いをほんのり漂わせとる、目を瞑った里沙ちゃんの顔。

右の太ももを抱えるように包んだ熱。
そしてその内ももを、あそこに向かって這って来る熱くヌメる舌。

あそこがヒクついちゃうその感触と、
やっとそこに触れてもらえる期待にえっちな液を吐き出した感覚を感じながら、
顔の上に落ちてきた熱に向かってあーしも目を瞑った。

塞がった口に、ヌルッと入り込んできた里沙ちゃんの舌。
それに自分の舌を絡めながら、内ももを這う舌を呼び込むように脚を大きく開く。

ぁ…来る……ぇっ?

内ももから上がり、あそこと脚の間まで来てくれたそれが、
焦らすみたいにパンツの際に沿って前側に逃げて行く。

――行かんでっ!

咄嗟に反対側の脚であさ美ちゃんの首を抱え込む。
止まったその顎が、偶然にもあーしのあそこに強く押し付けられた。

「ん〜〜〜!…」

待ちに待っていたそこへの刺激。
パンツのその部分の布も薄過ぎるせいで、直接割れ目を捏ねられたみたいな感じ…
里沙ちゃんのキスで口を塞がれながら、あーしの全身が大きく捩れた。

「んふぁあっ!」

その拍子に、里沙ちゃんの肘に当たったあーしの胸。
乳首を一瞬捏ね、胸の山を強く捻られた様なその感覚は、
割れ目に嵌ったままで激しく捏ねまくる顎がくれる刺激と相まって、
あーしの頭の中を一気に真っ白にさせた。

全身を襲う軽い痙攣の中、あそこを襲っていた刺激が無理矢理逃げて行った。
やけど里沙ちゃんのキスは、ネットリとした霧の中にあーしを引きずり込んでいく…

溶けてまいそうな頭。

サイドの紐を解かれ、パンツを脱がされる感覚。

両方の胸を撫でられ、アンダーから柔らかく絞られる感覚。

太ももの裏を撫でながら、両脚を抱え上げられる感覚。


舌の裏をなぞられ…

あそこの襞を柔らかく噛まれ…

乳首を挟まれたままで引っ張られ…

あそこの中に何かを押し込まれ……

――苦しい…でも、もっとっ!

胸も腰も顎も、触れられてる部分全てが勝手に浮き上がっていく……


―――溶カシテ…


ポッチに息を吹きかけられて、腰が引けながらもそれを両太ももで捕まえた。
熱の塊があそこにメリ込んで来た。

出口を塞がれ、重力とは逆に流れて行く溢れさせてまったえっちな液。

上唇の裏を、熱くヌメる生き物が左から右へ這って行く。
そして歯を越えてあーしの舌に絡まって来たそれ…

あそこの襞の間の底でも同じ生き物が蠢いた。

呼吸が出来んくなった。


ん!!$#◇*!!!


あそこの谷間から、熱くヌメる生き物がポッチに上陸した途端、
全身を襲う強い揺れと共に、頭の中にフラッシュが瞬いた。

      ………

「はああっ…んっ!…あっ!…んっ!…」
「…んっ!…はっ!…ぅんっ!…ふぅぅぅぅ…」

すっかりえっちな匂いが充満した部屋に、控えめに漂う二種類の甘ったるい吐息。
一つはあーしの上に乗っておる里沙ちゃんの。
もう一つはさっきあっさりイかされちゃって、あれから数分しか経っておらんあーしの。
「ぅんっ!」
里沙ちゃんに乳首に軽く歯を立てられて、また気持ちイイ電流が背中を伝った。

――たて続けやと凄く疲れるんやけども。

そう思いながらもやっぱり止めれん。
里沙ちゃんに含まれとる乳首をもうちょっと大きく転がそうと、
あーしは自分から体を捩った。

「うっ!」
逃げられると思ぉたのか、里沙ちゃんの唇に挟まれて引っ張られた。
また軽くイってもぉた。

――今日は死んでまうかも。あーし…

あーしが最初にイった後、長いキスに満足したのか、
里沙ちゃんの口は今度はあーしの身体に移動した。

移動する前に縛られてた腕を開放してもらったけれど、その痺れは未だに引かん。
背中の下に敷いてたから仕方ないんやけど、
里沙ちゃんの背中に回してあげる事も出来ずに、だらしなく絨毯の上に伸ばすしかなかった。

今も汗が首を伝っておるけど、イッた直後は大量に掻いちゃった汗が首やら腋を伝っとった。
腋からはちょと臭いも…
そこを里沙ちゃんに拭うように舐められて、恥ずかしさに物凄く興奮してもぉた。
イった後だけに、最初はちょっとくすぐったいんが強かったけど。

あさ美ちゃんやったらこんなのいつもの事。
腋だけやなく、足の指とか臭ってそうなトコをやたらと舐めてくる。
「ちょっと苦いよ」とか「臭うかも」なんて、
わざと意地悪な事言いながら、あーしを攻めて恥ずかしがらせて気持ち良ぉしてくれる。

今日は足の指も舐めてくれるかな?
でも親指と人差し指の間舐められるとそれだけでイってまうから、ちょと休憩した後にして貰おっと。
なんて事を密かに考えてリクエストせんでおいた。

…あれ、里沙ちゃんも時々見てるもんな。興味深そうに。
普段は受ける方が殆どの里沙ちゃんにあさ美ちゃんみたいに攻められて、
その滅多にない感覚にドキドキしてしもぉたせいかもしれん。
一回イってるにもかかわらず、妙に興奮してすぐに気持ち良ぉなってもぉた。
せっかくリクエストせんで休憩しようと思っとったのに。

片やあさ美ちゃんは、延々とあーしのあそこを舐め続けとる。
あそこだけやなく、えっちな液を零しちゃったみたいなお尻のほうも念入りに。
時々何かを塗りつけとるみたいやけど、ケーキのクリーム塗っとるんやろか?

―もぉ、ふやけてまうやんか、あーしのあそこ。蕩けっぱなしや。

そう思いながらも、あさ美ちゃんの舌にあそこを深く擦り付けるように腰が動いてまうやけど…

…というか、あーしの上に乗った里沙ちゃんのと交互に舐めとるみたい。
じゃなきゃ、あーしを舐めとんのに当の里沙ちゃんがこんな声漏らさんもんな。
それにあーしのあそこを弄っとんのが、指に変わったりまた舌に戻ったりしておるし。

「やぁん!」
あーしの片方の胸を揉みながら反対側の乳首に吸いついておった里沙ちゃんが、堪らなそうに声を上げた。

「ま、待ってっ!あさっ!……はんっ!うぅぅぅぅ……や、あんっ…」
眉間に皺を寄せて辛そうな表情をしながら、ビクンビクンてあーしのお腹に当たる里沙ちゃんのお腹。
「やっ!…ふぅん…」
あーしの方もポッチを突付かれて気持ち良くって腰が勝手に跳ねてまう。

汗を掻いた互いの下腹部が当たる度、小さく聞こえとるちょっと湿っぽい音。
それより大きな、あそこを舐められて弄られとる音。
えっちな匂いもまた更に濃くなって、頭がクラクラしてまう。

唇に落ちてきた里沙ちゃんの汗を舐めながら、あーしは叫んじゃいそうになる声を必死にこらえてた。
やけど里沙ちゃんは堪え切れんかったみたい。

「こ、声っ!出っ!はっ!んっ!もおぅ!!あさ美ちゃ、んっ!!イっ……」

さっきとは逆に腰を引いて刺激に耐えてた里沙ちゃんが、切れ切れに声を上げた。
それをなんとか堪えようと頭を激しく振っておる。
鼻を膨らませながら唇を強く噛みこんだ顔が薄く目を開けた。
そして近くにあったあーしのパジャマを自分から口に押し込んで、あーしに強くしがみ付いた。
偶然にも擦れあった乳首が、並んだままで潰れ合った。

「う゛っ!むう゛う゛う゛う゛〜〜〜」

あーしの顎の下に顔を押し付けてた里沙ちゃんが大きく唸り、
次の瞬間、それが止まって頭がビクンと跳ねよった。

「う゛っ!…う゛っ!……」

―里沙ちゃん、もおイってもおた。

―今日のあさ美ちゃんの攻めって、若しかしていつもより凄い?

あーしの方もビチャビチャに舐められてグチャグチャに撫でられて、またイってまいそう。
お尻に舌を挿し込まれて、慌てて里沙ちゃんと同じように近くに有ったパジャマを自分の口に咥え込む。

「むっ!むうぅぅぅぅ〜……」

――あかんて!そこ弱いんやって!気持ち良すぎて漏らしてまうってーー!!

痺れの引きかけてきた腕で、痙攣しながらイってる途中の里沙ちゃんを抱き締めながら、
お尻の穴を舐められる刺激に必死に耐える。

…あそこがヒクヒクして、あーし、えっちな液をこぼしとる。

……ホントに漏れてまうよぉ。

あっ!えっ?今ちょっと漏らしたかもっ!?

おしっこが漏れたみたいな感覚に慌てながら、
良すぎる刺激を一旦止めてもらおうとお尻の穴に力を入れた。

「んむっ!むんっ!…んっ!…」

ダメやった。

あさ美ちゃんの舌が挟まって、ヌルンとした感触が余計に気持ち良くってかえって感じてもぉた。
そして勝手にさっきより開いてまうお尻の穴。
当然の如くあさ美ちゃんの舌に触れる粘膜の範囲は広がってもぉて…
おまけに襞の間も程好い強さで指で撫でられてもぉて……

クチュッ…クチュッ…ピチュッ

――あーしのあそこ、えっちな音あんなに立てちゃっとるぅ……

あっ!ダメッ!いやっ!イッ!…あかんって〜〜!!

「むうう!うっ!うっ!うぅぅぅぅ…」

お尻の後ろ側のふちを舐められながら、
ポッチを裏側から起こされるみたいに圧されたらもうダメやった。

―あ〜あ、今度はさっきよりも一杯漏らしとるよ、あーし…

―あ…あさ美ちゃんの口が塞いでくれとる……どっち漏らしとんのやろ…

―漏らしながらイクのって気持ちええな……

まだ時折痙攣して荒い鼻息の里沙ちゃんを抱きながら、
あーしはボヤケて形のはっきりしない天井の電気を呆然と眺めるしかなかった。


…やって力入らんし、出し始めたら止まらんのやもん。気持ちええんやもん。

その感覚が収まった最後に、あそこの中から固まりみたいのが数個転がり出た感覚がした。

――あーしって卵産めたんや。

ズズッてそこを啜られる音をボンヤリ聞きながら、
そんなありえない事を気持ち良さに揺らされながら本気で思った。


あ…え?……

フワフワした感覚が残っておるのにまた戻って来た指の感触。
おしっこの穴を舌で突付きながら、そのすぐ下の入り口をほぐすみてーに撫でておる。

まさかこんな状態なのに挿れてまうの?
確かに中にも欲しいなって思っておったけど…
せっかくやし挿れてもらおうか。…やけどまたイっ―――

「ふあ……はっ!…ぁ…ぁ…」

ろくに考える間もなく挿し込まれた指に強く感じてもぉて、
喉の奥から吐息を吐かされながら案の定また漏らしてもぉた。

「ぁ…ぁ…ぁ…」
中の感触を確かめるみてぇにゆっくりゆっくり撫で進んでくる指。
ふとももの痙攣のタイミングと一緒にちょろっちょろって出てまう何か。
その度にやって来る、そこを吸われる感覚と「ズズッ」って鳴らされてまう音。
慌ててあさ美ちゃんに中断を申し出た。

「は、はさ美、ひゃん。な、はっ!…中はやっ!メっ!」
「ん〜?気持ち良くない?」
「ひもひイ…はぁっ!…イけど……んくっ!……も、もっと漏れてまう……し」
あーしは奥のポイントの近くを指先で撫でられながら、
必死に下腹と脚に力を入れて漏れる感覚と喘ぎ声を抑え込んだ。

「いいよ、別に」
「ヤ、ダっ!…って!お願いやから」
「う〜〜………じゃ、舐めるのは?」
若干不服そうにそう聞きながら指を抜いてくれたあさ美ちゃん。
「……出来たらもうちょ――
指で襞の間を撫でられながらそう言いかけたあーし…
でも言葉が終わる前に脚を大きく開かれて、あそこ全部がまた温かい物に包まれた。

さっきの余韻を引っ張ってくれるみたいにあそこをモグモグしてくれとる口。
漏らしてもぉたりしてビチョビチョな筈なのに、まだ更に濡れが広がってまう感じ。
そんな緩い快感にウットリしながら脛であさ美ちゃんの体温に触れる。

――あん。イイよぉ…あさ美ちゃ……あれ?

髪の毛にも触れようと動かした腕がすぐに何かに当たった。
…里沙ちゃん乗ってたんやっけ、の。すっかり忘れとった。

そのまま里沙ちゃんのお尻に手を伸ばす。
ちょっと撫でただけなのに、あーしを抱き締める腕に力が篭った。
気が付いてみれば、感じとるみたいに鼻息もかなり荒いまま…
「あさ美ちゃん、里沙ちゃんの方続けとんの?」
「ん〜?ちょっとだけ指挿れてる〜。指先しか動かせないけど」
そう返事したあさ美ちゃんがまたあーしの股間を咥えた。

…里沙ちゃんもシテもらっとるならもうちょっとええか。ぁ…
ビクンと動いた里沙ちゃんの重みが下腹部にかかり、またちょっとチビってもぉた。

「……ごめんなぁ、あさ美ちゃん」
「ん〜?」
漏れたものを啜りながら鼻で返事を返すあさ美ちゃん。

「そ、その…今日も漏らしてもぉて…」
「ん〜ん。『チュッ』平気。愛ちゃんのだもん。それに凄く気持ち良かった時は私も漏れちゃうし…ね。
愛ちゃんもしてくれるっしょ?
あれがまた凄っごく恥かしいけど凄っごく気持ち良かったりするし…
だから愛ちゃんが漏らしちゃう時も、『あー、凄く気持ち良かったんだー』って私も嬉しくなるしね。
だから遠慮しなくていいよ」
そう嬉しそうに言葉を発し、すぐにまたあそこを口に含まれた。

――遠慮って…あさ美ちゃんのは潮なんやけど…
――あーし今漏らしたんは多分…というか絶対違う方やと思うんやけど……

ぴちゃぴちゃと音を立てながら舐め続けとるあそこ全部を覆った口。

温かくって嬉しい。そしてやっぱり気持ちイイ。
里沙ちゃんのお尻を撫でながら、あーしは両脚と下腹部に入れていた力を抜いた。

……凄っくキモチイイ。


ここ最近では一番かもしれない長い浮遊感が落ちついて暫く。
甘噛みするみてーにやわやわと咥えられとったあそこ全体から熱が離れて行った。
贅沢言うならずっとくっ付いたままでおって欲しいけどの。
それにこれ以上続けてイかされてもぉたら、あーしあさ美ちゃんとこ攻めてあげれんで。
里沙ちゃんとこも一杯感じさせてあげてーし、せっかくのあのプレゼント使えなくなってまう。

内股の付け根にキスマークを点けられとるのを感じながら、
片腕を腰に残して里沙ちゃんの頭をゆっくりと撫でる。
まだすすり泣きみたい音を時々立てておる里沙ちゃんの、あーしに押しつけた胸。
そこから伝わっとる早い心臓の鼓動。
熱い鼻息も耳の下に当たっとる。

「里沙ちゃん?」
里沙ちゃんの口を塞いだままのパジャマを手探りで引っ張り出した。
開いた口があーしの首筋に大きく熱い息を吐き掛けた。

「んくっ!…はぁぁぁぁ…『スンッ!』…はぁぁぁぁ…」
里沙ちゃんもかなり強くイってもぉたんやな、これ。
それともあさ美ちゃんに弄られとるんやろか?
あーしは目を開きかけてまた里沙ちゃんに呼びかける。

「里沙ちゃん?」
「…はぁっ…」
吐息を吐き出しあーしの顎を擦るみてぇに上がってきた顔。
そのままかなりの量の髪の毛と一緒にキスされた。

「んっ……」
チョコの味を残して数秒で離れてもおた唇。
薄く開いた目に映る、間近にある里沙ちゃんの潤んだ目。
甘い香りのする息があーしの唇に熱を落としてくる…
「さっき愛ちゃんもイった…んくっ!…よね?」
「殆ど一緒くらいやったのぉ」
「愛ちゃんビクンビクンして……んくっ!はっ!…か、可愛かった」

里沙ちゃんから言われた事のない言葉におもわず硬直。
頭が休憩モードに変わってるせいもあって返事に詰まってもぉた。

「え?、え゛〜〜…あっし可愛くね―――
嬉しそうに細まった目が閉じて、また口が塞がれた。

――何やの?今日の里沙ちゃんやっぱ変や。調子狂うで…

そう思いながらも入ってきた舌を素直に絡め取ってまうあーし…
…髪の毛邪魔やけど……ええか、この際。
邪魔な髪の毛を指で外し、里沙ちゃんの肩口を両腕で抱えこんだ。

――休憩にならんが、これ。また頭もあそこも溶けてまう…

――あ〜…あさ美ちゃんに足触られとるー…

――咥えてきたぁ……温か〜い…ぇ?

「ん!はあんっ!!」
キスを強引に外し、あさ美ちゃんの口に含まれた足先を慌てて引っ込めた。

「あさ美ちゃん!きゅ、休憩!休憩!」
ちょろっと中指と薬指の間に舌を乗せられただけなのに、あまりの強烈な快感。
おもいっきり不服そうな里沙ちゃんの下からも這い出して、
お腹と内股に力を入れてあそこを両手で抑え込んだ。

――今またイってもぉたら……

「ト、トイレ行って来る」
ジンジンしとるあそこに腰が引けたまま、あーしは急いでパジャマを着て部屋から這い出した。
寒っ!あっ…
身体を縮こませながら、殆ど握るみてぇに再び両手であそこを抑え付ける。

――危うく盛大におしっこ漏らしてまいそうやった…

今度は寒さに震えてまう身体。
強く湧き上がる尿意。
やけどヘロヘロな身体は言う事を聞いてくれん。
結局片手であそこを抑えながら、座ったままの態勢で階段を下りる羽目になった。

階段の真ん中らへん。
そんなあーしの背中に里沙ちゃんらしきくぐもった喘ぎ声。

…お父さんとかお母さんにえっちな声聞こえてえんかの?
……やけど笑い声に聞こえない事もねーし。
………女の子だけでホテルって行けねぇのかの?

どうしても食い込んで感じてまうパジャマのズボンにモジモジしながら、
尿意を逸らす様に声を抑えないでえっちできる方法を色々考えつつ階段を降りきった。
その間、あーしの部屋の方からは特に危ない声は耳に届かんかった。

やっとの事でトイレに到着。
便座に座ってお腹の力を緩めたけれど、肝心のおしっこは一回ちょろっと出ただけ…

――殆ど漏らしとったのね、あーし…

――潮やったらあのままイっておけばヨカッタ…

――せっかく大好きな足の指舐めて貰ぉたのに……

足元のパジャマの股間にベッタリと付いとる粘っこそうな染みを眺めながら、
あーしはおもいっきり後悔した。

一度、冷たい空気に当たったせいで、全身の火照りは殆どおさまってもおた。
やけど、あそこと乳首だけは『まだまだ足りん!』と訴えるようにモゾモゾしたまま…

「あ…ぅ……」
階段を上がる途中で、またジワッと感じたあそこ。

――あーし、どんだけ性欲強いんや!って、のぉ…

苦笑いしながら、そう自分に突っ込みを入れつつ階段を登りきり、
ドアノブに手をかけたところでふと手を止めた。

中から聞こえて来るかなり控えめな喘ぎ声。
そういえば――

――里沙ちゃんとあさ美ちゃんがえっちしとるんやよな。
――素っ裸で。
――二人だけで。
――あーしの部屋で。

よくよく考えてみれば初めての状況に、興奮のような嫉妬のような変な感覚。
里沙ちゃんの一人えっちのお手伝いでは有ったけど、裸で抱き合うなんて…
やけど、他人のえっちの声を盗み聞きしとるようなこの状況に、
あーしはドキドキしながら無意識のうちに聞き耳を立てていた。

体は寒いのに、あそこと胸の先だけがどうにも熱い。
ドアに耳を付けるようにもたれながら、
身体を縮こませるみたいに自分で自分を抱き締める。

「あっ!あっ!…」
聞き耳を立て始めてから一番大きな喘ぎ声。
その声に合わせるように、いつの間にかパジャマの上から触れていた乳首を弾いてもぉた。

「はんっ!」
えっ!?
ポロッと出てもぉた自分の喘ぎ声。
その声に驚いたと同時に我に返った。

…なっ!こ、こんな所であーし……

こっちも知らないうちに、あそこに触れてた指にも湿っぽい感触。
猛烈な恥ずかしさと、思い出した体の凍えに慌ててドアを開けて中に飛び込んだ。

他人のえっちの盗み聞きと、それをおかずにしてた気まずさに、
俯きながら中に入ったあーし。

まず鼻が感じた濃いえっちな匂い。
ストーブで十分に温められたそれは、またなんとも……
そしてそこに絡まる里沙ちゃんの甘い吐息と喘ぎ声。
一つ大きくヒクついてもぉたあそこが
性懲りも無くえっちな液を溢したのを感じつつも動けんかった。

顔を上げ、目に飛び込んできたのは、お尻を上げ気味にしとる綺麗な背中。
その下で目を瞑った里沙ちゃんが身体を捩じらす度に、
背骨に沿った窪みのラインがうねる様に動いとる。
その光景は、えっちと言うよりただ単純に綺麗で……

「ほあ…」
見惚れてもぉて、思わず溜息。
やけどまた耳が拾った音に、純粋な感情はあっさりと飲み込まれてもぉた。

「んっ!…ふぅん……んっ!…あ、さ……はんっ!」

大きく捩れた里沙ちゃんの上半身。
左胸に吸い付いたままで、反対側の胸をゆっくりと撫でておるあさ美ちゃん。
その胸と一緒に首を逸らした里沙ちゃんが薄く目を開ける。

紅潮して真っ赤になっとる顔。
光る汗。
虚ろな眼差し。

その顔が、あーしを見つけて切なそうに、でも嬉しそうにゆったりと笑った。

ぅああ…い、色っぽ―――

「ぁんっ!!」
あーしに感じとる表情を見せつけるように声をあげた。

「…」

…ドキドキするけど今の何か腹立った。

その顔から目線を逸らし、ちょっとだけムッとしながら、
あーしは部屋の奥へと足を運んだ。

目の前にあるあさ美ちゃんのお尻の下。
そこから出てモジモジしとる里沙ちゃんの両脚。
それが動く度、ちょっと酸っぱい様な新鮮なえっちな匂いが振りまかれとる感じ…

…さっきのアレはわざとじゃねぇよな。
そう思い返してちょっと反省。
気持ちを落ち着けようと、机の椅子に座ってティーカップを口に運ぶ。
「……」

「はっ!…い、今、の……はっ!くっ!…」
「ここ?里沙ちゃんて左の乳首敏感だよね」

続けて食べかけのケーキが乗った皿に、退けるように転がっていた苺を摘んで口に放り込む。
「………」
なんとなくしょっぱさを感じつつ、咀嚼してすぐにそれを飲み下す。

「あっ!はんっ!…そっ、れぇっ!か、噛んっ!で、はああんっ!」
『チュプッ』

「……………」

…やっぱなんか腹立つで、二人とも。

フォークでダイナミックに削ったケーキを口に詰め込みながら、ちょっとだけ二人の方へ顔を向けた。

それにしても――

――あさ美ちゃんもやけど、里沙ちゃんてば今日は物凄く……積極的やし…

『ぺチャッ』『ピチュッ』って音を掻き消すように上がる里沙ちゃんの喘ぎ声。
邪魔な髪を掻き上げながら、里沙ちゃんの胸から顔を上げたあさ美ちゃんがこっちを向いた。