その日を境に、俺と紺野は何かがふっきれたように感じられた。 その証拠に俺たちは何度も何度も身体を重ね合った。 紺野も最初の頃は痛がったりしたが、徐々に馴染み、こなれてきたのか 前戯のときの愛撫だけでなく挿入後の動きにも反応を示すことが多くなった。 俺もまた、はじめの頃は数分も持たなかったものが次第に長く持続するようになり、 また回をこなすごとに余裕も出てきて紺野の身体の隅々までを丁寧に愛撫するようになった。 だが、まだ紺野が中でイクことまでには至らなかった。 ……その日も……俺たちはホテルで身体を重ねていた。 紺野の全身をたっぷりと時間をかけて撫で回し、やがて俺自身を紺野に挿入する。 ああっ……ふぁっ……はあっ……はあっっ……はあっっ…… 前後運動に合わせて紺野が喘ぎ声を漏らす。 初めて関係を持った時に比べると、その声も息も大きく、荒くなっている。 俺がさらに前後運動を続けようとすると、 「……少し……待って……」 と、俺の身体の下で紺野が言った。 「どうした?」 腰の動きを止めて俺が尋ねる。 「なにか……来るみたい……」 「来るって……なにが?」 「その……もしかしたらイけるかも……」 「そう……じゃ俺頑張るよ……」 俺はそう言って前後運動を再開する。 手前から奥へ、奥から手前へ俺の分身は紺野の中をかき回し、突く。 紺野の喘えぐ声はそれにともなってますます大きくなる。 ああっ……ふあっ……ふああっ……はああっ……はあ……はあ……はああっっ……ああっ…… そして…… ふああああああっっっ…………・んんんんん……・・ ひときわ大きな声と息を吐いたかと思うと、全身を大きく痙攣させ……やがて身体中の力が抜けたようにぐったりとなった…… そう……その日、紺野は初めて絶頂を迎えた…… 俺はぐったりとなっている紺野から自分自身を抜き、しばらくベッドに横たわる紺野を眺めていた。 やがて紺野はゆっくりと俺のほうを向く。 そしてそのうるんだ瞳で 「…………イっちゃった…………・」 と俺に言った。 「良かった?」 俺が言うと紺野は 「うん……エッチがこんな気持ちいいものだなんて思わなかった……」 と微笑みながら返事をする。 その表情はとても満足げで幸せそうだ。 そして……とてもかわいかった。 「そう……でも……余韻に浸っているところ悪いんだけど、俺のコレ……どうしたらいいのかな?」 俺はそう言ってまだいきり立っている自分のものを紺野に示した。 「あ……ごめんね……」 紺野はそう言うとゆっくりと両手で俺のモノを持ち、かぶせてあったゴムを外すと俺の股間に顔をうずめて自らの口に含ませる。 予想もしなかった紺野の行動。 「お……おい……」 俺がそう言うのも構わず、紺野はその口で、舌で俺のモノを含んで絡める。 「いいから……したげる……」 紺野の唇からはぴちゃぴちゃといやらしい音が漏れてくる。 そして、俺のほうも限界に近づいていった。 「もう……いいから……口離して……出る……」 俺がそう言っても紺野は口に含むことをやめなかった。 いや、それどころかその舌の動きはいっそう激しくなっているかのようだ。 「出るから……やめ……」 そして……とうとう俺は紺野の唇の中に熱い精を放出した………… 「えへへ……気持ちよかった?」 「いいから早く吐き出せよ……」 「うん……」 紺野はそう言うと口の中に出した俺の体液をティッシュに吐く。 そして俺のほうを見てまた微笑んだ。 「……なんでまた……」 「ん……なんかね……急にしてあげたくなっちゃって……不思議だね…… 今の今までビデオの中だけにあるものだと思ってて……自分がするなんて思ってなかった……」 「紺野……」 俺はそんな紺野の身体を抱きしめる。 そして、また互いの唇を重ねる。 その紺野の唇は……少し栗の花の匂いがした……