神社の前に俺と紺野は立っていた。 
そう、初詣のために待ち合わせていたのだ。 
去年までは一人かせいぜい家族、友達と参るだけだったのでいかにも義務感が強かったが、今年は違う。 
俺の隣に紺野。 
俺の恋人だ。 
まあ紺野とはその成り行きも含めていろいろあったわけだが、去年の正月は一緒に初詣に参るなんて考えられなかった 
ただの友達の間柄だった。 
それが今年は… 

「なに?あたしになにかついてる?」 
紺野が言う。 
俺がしげしげと紺野を見るから、どうやらそれが気になった様子だ。 
「…いや。今年もかわいいなって。」 
「……もう……バカ。」 
そう言って紺野はほっぺたを軽くふくらませる。 
少し赤くなった顔。 
その表情がまた実にかわいい。 

「どうせなら晴れ着着て来ればよかったのに。」 
俺は紺野に言う。 
正月なんだし、晴れ着を着た紺野はもっと華やかに見えるだろう。 
そう思ってのことだったが、 
「うん。実は着ようかなとも思ったんだけどね・・・」 
「思ったけどなに?」 
「……その…晴れ着だと脱いだらまだ一人じゃ着れないから…」 
紺野はそう言うと、また顔を赤らめて今度は少し下を向いた。 


賽銭を投げ入れ、二人並んで頭を下げて両手を合わせる。 

浪人せず大学に合格しますように… 
できれば紺野と同じ学校に入れますように… 
そして今年も…いや、ずっと紺野と一緒にいれて仲良くできますように… 

普段信心のない俺だが、正月だけは別だ。 
ましてや具体的に神様にお祈りすることができた今年は特別だ。 

「ね、なにお願いした?」 
顔を上げて紺野が俺に聞く。 
「その…無事に大学に合格しますようにって…」 
俺は紺野にそう返事をした。 
さすがにいつまでもいっしょにいたい、と面と向かって言うのは少し恥ずかしい。 
「…それだけ?」 
紺野は少し不満そうに俺を見た。 
その顔で見つめられると俺はもう抵抗できない。 
「それと…紺野といつまでも一緒にいられますように、って…」 
そう言ったとたん、渋い顔をしていた紺野の表情が一瞬にして輝き、にこやかになる。 

「……あたしも同じことお願いしたよ。A君と同じ大学に合格しますように、って。それで…… 
あたしたちがずっと仲良く一緒にいられますように、って。」 

紺野はそう言って俺の方を見て微笑んだ。 


俺たちはお参りを済ませると、露天をひやかしたりしながら神社を抜け、街をぶらぶらと歩く。 
さすがに正月の街は普段と違って人気がない。 
これからどうしようかな……そういえば紺野とは年末に会って以来だし…それに……1週間以上ご無沙汰…… 
などとスケベなことが頭に浮かぶ。 
久しぶりに紺野とエッチ…… 

一度変なことを考え出すと、もう止まらない。 
俺の脳の中はピンク色に染まり、紺野の身体を、その行為を何度も思い出してしまっていた。 

「あのさ……これからなんか用事ある?」 
俺が紺野に言うと、紺野はなんのことか即座に理解したらしく 
「……ううん……いいよ…」 
と小さく頷いた。 


さすがに正月は誰しも考えることは同じらしく、いつものいきつけのホテルは満室だった。 
何軒か回ってようやく空きをみつける。 
わざわざ探し回るくらいだったら今日のところは止めてまた次に…となりそうだが、一度発情してしまうとなかなか収まらないのは性だ。 
とはいえ、俺も紺野も次が満室だった萎えてまた次の機会に……という寸前まできていたのは事実だが。 

「やっとゆっくりできるね。」 
チェックインをし、部屋に入って紺野が言う。 
「なんか身体冷えちゃったな。」 
「そうだね。」 
「紺野の手……こんなに冷たいし。」 
そう言いながら俺は紺野の手を自分のそれで包み込む。 
「A君の手も結構冷たいよ。」 
「え?そうか?」 
俺はそう言うと手を離し、紺野の正面に向き合うと今度は両手でほっぺたを包んだ。 
「ほんとに冷たい?」 
「きゃっ、冷たーい。」 
「そうか、冷たいんだ。」 
「うん。冷たい……」 

俺たちはそう言うとしばらく無言になって見つめ合う。 
そしてどちらからともなく小声で 
「……あけましておめでとうございます……」 
と、もう一度新年の挨拶をすると、唇を重ね合った…… 

「先にシャワー浴びなくていい?」 
重なった唇をゆっくりと離すと、俺は紺野に言う。 
「……うん。家を出る時もうお風呂入ってきたから……」 
「そう。実は俺も入ってきたんだ。」 
「じゃ終わってからでいいよね。一緒に入ろうか。」 
そう言うと俺たちは見つめ合って笑った。 

……なんだ。二人とも最初からそのつもりだったんだ。 
そういやさっき紺野は晴れ着だと脱いだら着れないからとか言ってたが、このことだったのか。 

いつもならこの後ゆっくりと紺野をベッドの上に押し倒すところだが、今日はそうはしなかった。 
いつもと違う俺の仕草に紺野は少しきょとんとしている。 
どうしたの?と聞かれたので 
「うん。今日はちょっと違うことしてみようと思って。」 
と俺は言った。 

俺はそのまま紺野を立たせると、着ていたコートに手をかけて脱がせる。 
「え?なに?」 
「いや、今日は俺が脱がせてやろうと思って。」 
「え?ここで?ベッドじゃなくて?」 
「うん。なんか着せ替え人形みたいにかわいいから。じっとしてて。」 

よくもまあこんなセリフが出るものだと自分でも思うが、紺野をその気にさせるためだ。 
ま、実際お人形さんみたいにかわいいのは事実だけどさ。 

俺は紺野の足元にしゃがむと、ソックスに手をかけゆっくりとしたに降ろしてゆく。 
足首まできたところで紺野に足を上げさせて抜き取り、静かに床に置いた。 
続いてセーターの裾を持ってスカートの中から引っ張り出すとそのまま上にたくし上げると 
隠れていた紺野の生身のウエストが姿を現す。 

腕、そして頭を抜いてセーターを脱がせ、これも丁寧に床に置いた。 
目の前に現れたのはブラだけの紺野の上半身。 

俺は続いてスカートに手をかけるとサイドのジッパーを下へ滑らせてゆく。 
着せ替え人形をこの手で着替えさせているような感覚。 
紺野が無抵抗で俺になすがままということもあるのだろう、なにかしてはいけないことをしているようで俺自身も興奮してきているのを感じる。 
ふと紺野のほうを見ると、紺野は顔を赤らめて羞恥に耐えているようだった。 

「……なんか……いつもベッドの上で脱がされているのと違って恥ずかしいね……」 

空気に耐えられなくなったのか紺野が声を出した。 

「そう?」 
その言葉を流すように返事をすると、そのままスカートを脱がせて床へ置くと足を抜き、セーターの傍らへと置いた。 

ブラとパンツ。下着だけになった紺野の身体を俺は舐め回すように見つめる。 
不思議なもので、普段下着どころか身体の隅々まで俺に見られ、知られているくせにシチュエーションが変わるとやっぱり恥ずかしいらしい。 
紺野はその視線に耐えかねてか、顔を耳まで赤くして横を向いた。 

「その下着って初めて見たけど…俺が知らなかっただけかな。」 
俺が言うと紺野は 
「……その……新年だから新しいの卸してきたの……」 
と小声で言った。 

「もう。あたしだけじゃ恥ずかしいから今度はあたしがA君脱がすから。じっとしてて。」 
「えっ……まだ下着……」 
俺が言葉を返す間もなく、紺野は俺の着ているものに手をかける。 
「ダメ。A君が脱いでから。」 
ちょっと強めの口調で紺野は言った。 
「……わかったよ……」 
少し渋そうな返事をしたが、実はイヤじゃなかった。 

紺野は俺をその場に立たせたまま、自分は下着姿で俺の衣服を脱がせにかかる。 
まず上着のジャンバー、そして自分と同じ順番に靴下。 
それから紺野はシャツのボタンに手をかけ、上から順番にボタンを外してゆく。 
下にゆくにつれ、紺野の姿勢も徐々に下がってゆき、一番下のボタンを外す頃にはその頭がちょうど俺のあごの下あたりにくる。 
紺野の髪が俺の鼻をくすぐる。 
ほのかに香るコロンの……いや、紺野の香り。 

恥ずかしい…… 

さっき俺に脱がされている紺野の恥ずかしさと同じものが俺を包む。 
だが、その一方でえもいわれぬ興奮を感じていた。 

徐々に下半身に血液が集まり、分身が硬直していくのがわかる。 

俺はまだ経験はないが、風俗の女の子にサービスされているような錯覚に陥る。 

紺野は俺の足元にしゃがみこむと、俺の股間の変化がわかったのだろう、顔を上げて俺の顔を見るとまるで小悪魔のように少し意地悪っぽく微笑んだ。 

そしてTシャツを脱がせるとそのままベルトに手をかけてバックルを外し、ゆっくりとズボンを床に降ろした。 
ちょうど紺野の眼前に現れる俺の分身。 
トランクスは高くテントを張ってすでに興奮状態であることがはっきりと見て取れる。 
紺野はしばらくそれを凝視したかと思うと、何事もなかったかのように脱がせたズボンをたたんで床に丁寧に置いた。 
そしてもう一度俺を見上げると 

「……もう……ホントにエッチなんだから。」 
と、子供をたしなめるように俺に向かって言った…… 

「じゃこれも脱がしちゃうね。」 
紺野はそう言うと俺のトランクスに手をかける。 
おいおい、俺のほうが先に脱がされるのかよ… 
「あ…その…紺野…」 
「なに?」 
「終わったら次は俺に脱がさせてくれるんだよな…」 
俺がそう言うと紺野は途端に顔を赤らめる。 

「…バカ…」 
否定しなかったということはOKだということ。 
俺は勝手にそう思うことにした。 
妄想が膨らみ、俺の分身はますます元気に屹立してトランクスに張りを作る。 
紺野は俺のそんな心境を知ってか知らずか、慣れた手つきで突っ張ったトランクスをひょいと持ち上げるようにしてひっかかりを外すとそれをずり下げた。 

いつもの手馴れたしぐさではあるが、紺野はこの瞬間とても恥ずかしそうな顔をする。 
その表情はとてもかわいい。 
紺野のこの表情が見れるだけでも俺は幸せ者だと思う。 

トランクスの中に収まっていた俺の分身は、引っ掛かりが取れた反動のように少し上下に動かせながら紺野の眼前にその姿を晒す。 
紺野はそれを見ると、一瞬視線を逸らす。 

紺野だって何度もこれを見ているはずなのに… 
いや、それどころか自分の身体の中に受け入れ、時にはそのかわいい唇の中で弄んでいるはずのものなのに… 
女の子というのは不思議だ。 
俺はそう思った。 

「よし、じゃ最後は俺な。ほら、立って。」 
俺はそう言うと紺野を再び俺の目の前に立たせる。 
「え〜。恥ずかしいよぉ。」 
口ではそう言うが心底嫌がっているのではないことはその口調からもわかる。 
「いいから。さ。」 
「……もう……」 
それでも恥ずかしいのか、両手で胸を押さえて見られないようにしていた。 
「ほら、手を離して。」 
俺はそう言って紺野を促す。 
「……ね、ホック外すんでしょ?だったら後ろ向いてていい?」 
「ダメ。ほら、こっち向いて。」 
ここで後ろなんか向かれてはこっちとしてはたまったもんじゃない。 
紺野はしぶしぶという感じで俺のほうを向き、あきらめたかのように両手を身体の横に下ろした。 

その豊かな乳房が、狭いブラの中に押し込まれているのがはっきりとわかる。 
それをこれから解放する…… 
そう考えるだけで興奮してくる。 

もっともそんな俺は、全身丸裸でしかも下半身を勃起させているのだから間抜けといえば間抜けな姿なのだが。 

俺は紺野を抱くように両手を大きく回すと、背中にあるブラのホックに手をかける。 
俺の腕の中に紺野のある身体。 
このまま抱きすくめ、押し倒してしまいたい衝動にかられるがそれをこらえる。 

「なんか……ちょっと鼻息荒くない?」 
紺野がまた意地悪げに言う。 
「え?そうか……な」 
思わぬ指摘に指を止めてしまう俺。 
「それに……ちょっと当たってる……し」 
言われてみると、俺の分身の先端が紺野の下腹部に接触してしまっていた。 
そんなことに気づかないくらい興奮していたようだ。 

「ご…ごめん……」 
あわてて謝る俺。 
「……いいよ……別に。なんなら今出してあげようか?」 
紺野はそう言って俺の分身に手を添えようとする。 
「…いや…それはいいから。」 
俺は少し腰を引いた。 
ここで出されてしまっては興奮が一時とはいえ冷めてしまう。 
いや、すぐ回復するのだが、やっぱり紺野とはそれなりに高ぶった状態でしたい。 
手でしてもらうときにはあらかじめ心の準備を…などと思ってみる。 

俺は気を取り直し、つとめて冷静に振舞いながらホックをはずして広げると、肩紐を回して紺野の腕を抜く。 
紺野のその豊かな胸が俺の目の前に現れた。 
束縛するものがなくなったそれは、はちきれんばかりに瑞々しく張っている。 
先端にある突起が多少わがままに左右を向いているのもご愛嬌だ。 


紺野がまた恥ずかしそうに胸を隠そうとするのでそれを制すると 
俺はしゃがんで今度はパンツに手をかけた。 
ちょうど俺の目の前に紺野のパンツが、そしてその布の奥には紺野の女の子そのものが隠れている。 

両手でパンツの端をつまむと、ゆっくりと下へとずり下ろす。 
布に隠されていた紺野の下腹部、そして陰毛が徐々に姿を現した。 
ふと頭を上げると、紺野は眼を閉じてうつむいている。 
その顔は耳まで赤くなっている。 

何度も俺に脱がされているはずなのに、こうして立ったまま人形の着せ替えのようにされるのはやっぱり恥ずかしいのか… 

そう思ったが、その一方で紺野のその恥じらいの表情には実にそそられる。 

……今度からいつもこうやって脱がしてやろうかな…… 

などと俺は考えた。 

「……早くして……」 
恥ずかしさに耐えられなくなったのか、紺野が振り絞るような声で言う。 
その声がまた俺を刺激する。 
俺はなるべくゆっくりとパンツを脱がせてゆく。 
こんな楽しいことをすぐ終わらせたらもったいない。 

そして…とうとう足の付け根の三角地帯……いや、紺野の女の子すのものの箇所が姿を見せた。 
陰毛の生え際と重なるように割れ目の先端が姿を見せる。 
それまで閉じ込められていた紺野のメスの匂いが解放されて漂ってくる。 

そのままパンツをずらそうとしたとき、その布の幅の一番狭い部分が心なしか湿り、紺野の肌に張り付いているように感じられた。 

「あ…紺野もしかしてもう……」 

俺が言いかけると紺野は 
「もう、いいじゃない。どうだって。」 
と顔を赤らめたまま少し強い調子で俺に言った… 

「あらためてあけましておめでとうございます。」 
互いに全裸で向き合う俺と紺野。 
新年の挨拶はこれで3度目だが、さっきとは状況が少し違う。 
とはいうもののすることはさっきと一緒。 
俺たちは顔を近づけ、そして唇を重ね合う。 
さっきより長い時間、互いの舌を絡めあい、唾液を交換する。 
両手を背中に回しあい、身体を密着させて体温を感じ合う。 
俺の屹立した分身の先端は、紺野の下腹部に触れてそこに圧力を加えているはずだが、 
紺野は今度は何も言わない。 
いや、むしろ意識的にかどうか、その下腹部を逆に押し付けてくる。 
俺と紺野の二人の身体に挟まれ、押し付けられる俺の分身。 
裏側のスジの部分からも伝わってくる紺野の体温と柔らかな肌の感触。 
再び高ぶってくる神経。 
このままじっとしているだけでもう出してしまいそうになる。 

そんなことを思っていると、やがてどちらからともなく重なった唇が離れた。 

絡み合った唾液が少しばかり糸を引いて垂れる。 
紺野は閉じていた眼を開けると、俺を見て微笑んで言った。 
「えへへ…じゃベッドのほうへ行こっか。」 

紺野に促されて俺たちはベッドに向かう。 
今年も紺野にペース握られるのかな…… 
とも思うが、そんな尻に敷かれた状態を心地よいと感じている俺がいる。 

紺野はベッドの上にちょこんと乗ると、正座した状態で俺にもその姿勢を促した。 
「なに?」 
「いいから。A君もちゃんと座って。」 
言われるがまま俺もベッドに登り、正座をして紺野と向かい合った。 

なに?ひょっとしてまた新年の挨拶か? 
「そう。こういうことはちゃんとしとかないと。姫始めって言うんでしょ。新年になって一回目のこと。 
今年もよろしくおねがいします。」 
紺野はベッドに両手をついて頭を下げる。 

「あ…ああ…こちらもよろしくお願いします…」 
つられて俺も両手をついて頭を下げる。 
なんかへんな感じだ。 
そう思っていると紺野は 
「…そうだ、この子にもちゃんとあいさつしとかないとね。」 
と言うなり俺の分身に手を添えた。 
「ふつつか者ですが、ことしもよろしくお願いします。」 

おいおい…そっちのほうが挨拶丁寧じゃんか。 
紺野がそのつもりなら俺だって… 

そう思った俺は、やおら両手を紺野の両膝の下に差し入れると、そのまま上に持ち上げて後ろに転がすように紺野をベッドの上に倒す。 

「きゃっ!」 
意表をつかれた紺野は、仰向けに倒れながら小さな悲鳴をあげた。 
「俺もお返し。」 
俺はそのまま身体を寄せて紺野の背中の下に膝を入れて起き上がれないようにする。 
そして上を向いた紺野の両足を左右に開き、いわゆるまんぐり返しのポーズをとらせた。 

「ちょ…ちょっと!」 
「俺もこの子にちゃんと挨拶しないとな。」 
意趣返しのような俺の言葉に、紺野は何も言い返せずに黙って横を向いた。 

俺の目の前に紺野のそこがある。 
よくアワビだとか生ガキとかに比喩される女の子のそこ。 
冷静に、客観的に見れば結構グロい形状をしているが、紺野のそこだと思えばむしろ可愛くいとおしくすら思える。 

「今年もよろしくお願いします。」 
何度も俺に見られ、全部知られているとはいっても自分の一番恥ずかしいところに声をかけられて 
紺野は恥ずかしさのあまり手で顔を覆う。 
とはいえ、自ら足を閉じようとはしない。 
これからされることをむしろ楽しみにしているかのようだった。 

「ちゃんと中のほうにも挨拶しないとな。」 
俺はそう言うと、小さく開いた左右の襞を両手で軽く開く。 
するとそこは、すでに粘液に満たされていた。 

「…やっぱり…紺野…もう濡れてる…」 
「もう…知らない……」 
紺野は一瞬だけ顔を見せ、再び両手で覆う。 
その瞳は心なしか少し潤んでいるように見えた…… 

そのまま俺は目の前にある紺野のそこにキスをし、舌を這わせる。 
「……んんっ……んあっ……」 
紺野もすでに高ぶっていたらしく、吐息を漏らし始める。 
そのまま俺はいつものように紺野のそこを、それから乳房を、全身を愛撫していった…… 


紺野とこういう関係になってから、何度も何度も紺野を抱いた。 
だが一度として飽きることはなかった。 
俺はいつも自分の想いのたけを紺野にぶつける。 
そして紺野もその俺を受け入れ、その身体を無防備に俺に預けてなすがままにされている。 
それは紺野が俺を信頼して自分の身を任せているからに他ならないと思っている。 
その紺野の想いに応えてやりたい。 
だから…俺はいつも紺野を満足させてやろうと一生懸命だった。 
そしてもちろん今日たった今も…… 

紺野はそんな俺の愛撫に快感の声を漏らし、時には快楽に包まれて身体を反応させる。 
ときおりぴくぴくと身体を痙攣させ、軽く絶頂を迎えていることを知らせる。 

そして…前戯も終わり、挿入にかかろうとしたとき、紺野はその雰囲気を読んだかのように俺の分身に再び軽く手を添えて 
「……この子たちも早く仲良くなりたい……って……」 
と俺を促した…… 

俺は用意していたゴムを装着すると紺野の中へと挿入を始める。 
と同時に 
「んんんんんんんっ………………」 
紺野がくぐもった声を漏らす。 

正直、ゴムなしの生でしたいと思わなくもない……いや、実際に生でしたことも紺野の中に直接俺の白い血を放出したこともあった。 
薄いゴムの有り無しでこんなにも違うものか…と初めて知ったし、それこそパズルのピースがぴったりとくっつくような一体感を味わうことができた。 
聞けばそれは紺野も同じだったらしい。 
だが、終わった後にこぼれてきて後始末が大変だったのと、安全日ではあったもののその後ちゃんと生理が来るまで二人とも不安だった。 
特にその時は少し遅れてきたものだから俺も紺野も覚悟はしていたものの気が気ではなかった。 


そんなもんだから、それからはずっとゴムつきだ。 
俺の欲望と快感より、紺野の…いや、俺たちの将来を大切にしたいという二人の合意だ。 

「あと何年かしたらそんなこと気にしなくていいようになるから…それに…いずれは赤ちゃん欲しいし…」 
と、紺野が意味深なことを言ったのも耳に残っている。 

「あんっ!あんっ!はあんっ!んっ!あんっ!はあっ!あんっ!」 

俺の分身に突かれて紺野は喘いでいる。 
快感に包まれてその両手は時には俺の背中に回され、そして時にはシーツをつかむ。 

「……ん……そろそろ姿勢変えるよ。」 
一通り突いて紺野に快感を味わせると、俺は自分のものを紺野の中に入れたまま両手を紺野の背中に回してその身体をゆっくりと抱き起こす。 

俺の膝の上にくる紺野の身体。 
いわゆる対面座位というやつだ。 

紺野はこの体位が好きだ。 
聞けばつながったままいちゃいちゃできるかららしい。 
俺も嫌いではないのだが、ただ紺野の体重が膝と太ももにかかるのでいささか重い。 
それに下から突き上げるときに背中かあるいは尻を支えながらとなるので腕を自由にできない。 
とはいえ、紺野がこの体位をリクエストしてくるので俺はいつもこの体位を途中に挟んでいる。 

「あんっ!んっ!あはんっ!あんっ!あんっ!んっ!ふうっ!」 

今度は下から突き上げられて紺野は再び喘ぐ。 
俺は時折腰を回し、紺野の中をかき回すと、紺野はその刺激に耐え切れずになお声を上げる。 

「んあっ!はあっ!ああんっ!あんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!はあんっ!」 

両腕を俺の背中に回し、まるで大木にしがみつくような姿勢の紺野。 
大きな胸がつぶれて俺の胸に押し付けられる。 
先端の突起が上下に動いてこすれる感触が心地よい。 

「あんっ!ああんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!」 

快感に包まれ、徐々に紺野の表情がゆがんでゆく。 
眉は下がり、眼を閉じて懸命に荒い息を吐く。 
たぶん、紺野はもう忘我の境地にあり、頭の中はピンク色のもやがかかってなにも考えられない状態なのだろう。 
この表情が出ると紺野の絶頂は近い。 
俺は両手を紺野の背中に回すと、顔を近づけてまた紺野の唇を強く吸った。 

んんんっ…んっ…んんんっ…ちゅっ…ちゅっ…んんんっ…ぴちゃっ…ぴちゃっ…ちゅるっ…じゅるっ… 

二人の舌と唾液が絡まりあい、入り混じって卑猥な音を立てる。 

「今日はこのままでいいかな……」 
普段ならこのあともう一度体位を変え、俺が上になってフィニッシュを迎えるのだが、今日はこのまま紺野をイカせてやろうと俺は思った。 

……うん…… 

少し潤んだ…快楽のあまり朦朧として焦点の定まらなくなった目をしながら紺野はうなずく。 
「……そう…じゃこのままな……」 

俺はそう語りかけると再び腰を上下に動かし、紺野を下から貫きはじめる。 

「あんっ!ああんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!ふあっ!」 
突き上げられ、かき回されて紺野は快感の声をあげる。 

次第に動きが激しくなり、もう二人とも汗まみれだ。 


俺の紺野… 
かわいい紺野… 
えっちな紺野… 

俺は自分の想いをぶつけるように激しく、強く、時にはやさしく紺野を突き上げる。 
二人が繋がっている箇所から聞こえる、ぐちゅぐちゅという湿ったいやらしい音。 

やがて…俺の背中に回した紺野の両手にひときわ力が入ったかと思うと…… 

「あ……んんんん………んんんんっ……!!!!」 

と声にならない声をあげて…… 
紺野は絶頂を迎えた……… 

「うっ!……ふうっ!………」 

と、それと時を同じくして俺のほうも限界を迎え、溜まっていた欲望を吐き出した…… 

はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ 
はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、 

絶頂を迎え、息を荒くしている紺野を抱えてゆっくりとベッドに横たえると、俺は自分のものの後始末をする。 
紺野はまだぐったりと力の抜けた状態でベッドに横たわっていた。 

「…風呂…湯張ってくるな。」 
俺が言うと、紺野は顔だけをこちらに向けて少し微笑みながら頷いた。 


「ん、沸いたよ。こっちおいで。」 
俺がそう言うと、紺野はベッドから起き上がって俺のほうへとやってくる。 
もちろん全裸だ。 
少し左右に離れた乳房、くびれたウエスト、そして大きく張った腰。 
白い肌と、それと対照をなすように下腹部から足の付け根にかけて生えている黒々とした陰毛。 
それがなんともいえずにエロさを感じさせる。 
いつも思うことだが、普段着ている衣服の下にはこんなにもエロい肢体が隠されている。 
それを知っている男は世界で俺一人。 
そう思うとき、俺はいつも自分を自慢したくなる。 

「ん?なにニヤニヤしてるの?…もうなんかまたエッチなこと考えてたんでしょ。」 
紺野が大きなほっぺたをさらに膨らませて俺を叱る。 

……仕方ないだろ…紺野がそんな身体してるから…… 

俺はそう思ったが、何も言い返さず黙っていると 
「ほら、一緒に入ろうよ。」 
と紺野はこんどは俺を促す。 
すぐふくれたかと思うとすぐ話を切り替えたりするあたり、女の子は不思議だ。 

ともあれ、こういうホテルの風呂は家庭のそれと違って大きいのがいい。 
俺たち二人がいっしょに入っても充分余裕がある。 
もっとも、最初からこういう使い方を想定しているんだろうけど。 

入試まであと1ヶ月ほどに迫ったし、センター試験にいたってはもう目と鼻の先だ。 
試験が始まったらこうして紺野といちゃつくこともエッチすることもしばらくおあずけになることだろう。 
もし…二人とも志望の大学に合格したらそのときは…… 
……どうか二人がそろって合格しますように……できれば同じ大学に…… 

神様にそうお祈りをしながら、俺はバスルームへと入った。 

(おしまい)