その日、紺野と俺は放課後の教室に二人きりでいた。 
俺と紺野は結構親しい仲だった。 
もちろん、付き合っているとかそういう関係ではなかった。 
だが、クラスメートとして、そして友人としてそれなりに…いや、結構あけすけに 
物を言える仲ではあった。 

正直、俺に下心がないとは言えない。 
紺野ともっと親しくなりたい、そしてあわよくば…… 
そう思うことは何度もあった。 
そして……紺野をオカズにしたことも…… 

だが、俺にはそこから先に進む勇気はなかった。 
なによりも紺野が俺のことをどう思っているかわからなかったからだ。 
もし、そのせいで俺と紺野の今の関係が壊れてしまったら… 
それに紺野のことだ。彼氏がいるとは聞いていなかったが、 
きっと俺よりずっといい男がお似合いだろう。 
そう思うと、ヘンに高望みせずに友人として屈託なく会話のできる現状のままでも充分だった。 

「ね、だからあたしの話聞いてるの?」 
紺野が俺に言う。 
「ん…ああ…」 
そんな考え事をしていたので俺は生返事をするのが精一杯だった。 
それに…さっきからそれ以上に気になっていることがある。 
紺野はさっきから俺と会話をしながら無意識のうちにだろう、何度か足を組替えていた。 
そして…そのたびにその足の奥から白いものがチラチラと俺の目に入ってくる。 
今時の子らしく、普段から紺野は結構短いスカートを履いている。 
さすがに駅の階段などでは気にして隠しているところを俺も何度か見たが、今この場所では 
会話に夢中のあまり気になっていないようだった。 
そんな紺野の無防備な姿を見る限り、 
…やっぱり彼氏いないのかな… 
とも思えるし、多分俺が異性として見られていない相手だからこそそういう仕草になるのかも 
しれなかった。 

「ああ、聞いてるよ。それで?」 
俺は紺野に返事をしながらも、その足の奥が気になって会話に集中できなかった。 
いや、それだけではない。 
次第に視線が紺野の足の奥に集中してゆくのが自分でもわかった。 

…ダメだ。気にしないようにしないと紺野に気付かれてしまう… 

頭の中ではそう理解しつつも、俺のスケベな欲望は正直だ。 
気にしないように、視線を外そうとすればするほどかえってそっちに神経が集中してしまう。 
そして…さらに間の悪いことに俺の股間はそのスケベな欲望に正直に反応していた。 

「ねえ、本当にあたしの話聞いてるの?さっきから上の空じゃない。」 
紺野はその大きなほっぺたをさらに膨らませて俺に言う。 
そして…とうとう俺の視線に気付いたようだった。 

「なによ、どこ見てるのよ…・あ!」 
どうやら紺野は俺の視線の先にあるものに気付いたようだった。 
下を向いて顔を赤くし、組んでいた足をあわてて戻すとぴったりと膝を閉じた。 

「見たでしょ……」 
紺野が上目遣いに俺に言う。 
俺が返事をしかねていると、さらに 
「さっきからあたしのパンツ見てたよね。」 
と問い詰めるように俺に言ってきた。 
「…え…あ…その…」 
俺がさらに返事に窮していると、追い討ちをかけるように 
「あたしのパンツ見て興奮してたんだ。それでろくに返事しなかったんだ。」 
と言った。 

「……」 
俺がなおも黙っていると紺野はその視線を下げ、俺の顔から足先までを舐めるように 
見回すと、やがて一点で止まった。 
…そう、紺野は俺のズボンの膨らみを見逃さず、視線をそこに釘付けにしたのだ。 
「…興奮してる?」 
紺野はその可愛らしい表情に意地悪な微笑を浮かべると俺に話しかける。 
「…あ・・ああ・・うん…」 
俺はとうとう観念して返事ともいえない返事とともにうなずくしかなかった。 
すると紺野はさらに悪魔の表情を浮かべると 
「…脱いでよ…」 
と俺に言った。 

「え?なんでだよ、いきなり。」 
我に返った俺は紺野に言う。 
「だって、あんたあたしのパンツ見たんでしょ。だからあんたも見せなさいよ。それでおあいこじゃない。」 
紺野はそう言うといきなり俺のズボンに手をかけて脱がせようとした。 
「ちょ…ちょっと待てよ。」 
俺はあわてて紺野を振り払おうとする。 
「いいでしょ。あたしだけ見せてあんたが見せないなんて不公平よ。」 
紺野はなおもそう言って俺のズボンに手をかける。 
俺はなおも抵抗しようとしたが、次第に紺野の気迫に押されてその力は弱まっていった。 
強引に振り払うことはできなくはなかったが、もし紺野が机やイスにぶつかって怪我でもしたら… 
いや、そんな奇麗事ではなく、俺のスケベ心は本当は紺野に脱がされたかったのかもしれなかった。 
「…それに…実際どうなってるのか見たいし…」 
と、紺野が小さな声で言ったのを俺は聞き逃さなかった。 

「…もう…彼氏にでも見せてもらえよ…」 
俺は顔を横を向けながらも抵抗するのをやめ、紺野のなすがままにされていた。 
「……いたらあんたのなんか見ないわよ。」 
紺野はそう言うとベルトとホックを外し、ジッパーを下げると 
「ほら、脱がすわよ。」 
と言った。 
俺はなおも顔を横に向けながら、腰を少しあげた。 
紺野はそのタイミングを見逃さず、俺のズボンとパンツを一緒に手にかけると一気に膝まで引き下ろした。 
それと同時に俺のいきりたった分身が勢い良く紺野の前に姿を現す。 
「キャッ!なにこれ!」 
それを見た瞬間、紺野は素っ頓狂な声をあげた。 

紺野は俺の分身をしばらく遠巻きに眺めていたが、しばらくするとまた近くに寄ってきた。 
「ふうーん、こんなんなってるんだー。」 
と、しげしげと眺めはじめた。 
「…なんだよ。本当に見たことないのかよ。」 
俺は少しふてくされたように紺野に言う。 
俺のモノを、紺野に見られていると思うと俺は恥ずかしくて仕方がなかった。 
それとは裏腹に、その羞恥が余計に俺を刺激して俺の分身は収まるどころかなおいきり立っている。 
「……あるわけないでしょ。あんたあたしのことなんだと思ってるのよ。」 
今度は紺野が少し怒ったように俺に言う。 

…そうか…紺野見たことないのか… 

紺野のその一言は、俺をさらに刺激するのに充分すぎるほどだった。 

「ね、さわっていい?」 
そう言うが早いか、紺野は自分の右手で俺の分身をさわり始めた。 
「お、おい、やめろって。」 
俺はそう言って上半身を動かしたが、腰から下はそのままだった。 
そう、考えてみれば紺野が俺の分身を触ってくれているのだ。 
こんな展開はこの先二度とないかもしれなかった。 
そんな俺の心中を知ってか知らずか、紺野は何度もその手で俺の分身を撫で回す。 
それはまるで赤ん坊がおもちゃをもてあそんでいる姿に似ていた。 

「ね、これこすると精子出て気持ちいいんだよね。せっかくだから精子出して。」 
紺野はそう言うと今度は俺の分身を持っている手を上下に動かせた。 
「ちょ、ちょっと。それは…」 
俺はそう言うと身体を少し後ろに引いた。 

確かに、願ってもないシチュエーションではあったが、さすがに人前で出してしまうことには 
抵抗がある。 
「いいからいいから。サービスサービス。」 
紺野は屈託なくそう言うと、俺の分身を握る手に力をこめた。 

「お…おい、やめ…」 
俺のそんな言葉に耳をかさず、なおも紺野は俺の分身を握り、上下に動かせる。 
…本当にそんな経験がないのだろう。手に力が入りすぎて痛い。 
「い…痛いから。」 
俺が言うと紺野は 
「あ、ごめん。」 
とだけ言って少し力を抜いた。 
「でもあんたが逃げようとするから力入っちゃうんじゃない。もう逃げないでよ。」 
と俺に言う。 

紺野はなおも俺の分身を握って上下に動かせる。 
痛いといったせいか、紺野の手は俺をやさしく包む。 
……俺は今……紺野の手でにしてもらっている…… 
そのありえない状況が一層俺を興奮させて、俺の血液と快感を一点に集中させてゆく。 
そして…次第に俺の限界が近づいてきた。 
「……手を離して…出る…」 
その言葉も終わらないうちに、俺は紺野の手の中でその精を放出した… 

俺の白い血は教室に飛び散り、その一部は紺野の腕と袖にかかってしまった。 
紺野は俺が射精する瞬間を目の当たりにしたせいか、しばらく呆然としていたが 
やがて気を取り直してポケットからティッシュを取り出すとまず自分の腕と袖についた 
汚れをふき取り、そして次にまだ脈打っている俺の分身にティッシュをかぶせて 
残りの滴をふき取った。 
俺は無言でパンツとズボンを履くと、紺野から分けてもらったティッシュでイスと教室の 
床に飛び散ったものを拭いた。 
紺野もしばらく何も言わなかったが、やがて 
「…変な臭い……今日はありがと。いいもの見せてもらっちゃった。」 
と口を開いた。 
そして 
「今日のことは二人だけの秘密ね。また見せて。じゃ、あたし帰るから。このティッシュはあたしが捨てといてあげるね。」 
と言うと鞄を持ち、教室を出て行った。 
……その夜、俺が昼間の出来事を思い出してまた紺野をオカズにしたことは言うまでもなかった。